レーティングゲームT
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ーム内にて暴風が吹き荒れる。
かまいたちが如く暴風が周囲に暴れ狂い、瞬く間にその猛威を振るう。
室内の地面はウィスを中心にたちまちひび割れ、壁には大きな亀裂が走った。
天井はボロボロになり今にも崩れ落ちてしまいそうである。
モニターは全て割れ、老害共は皆一様に吹き飛ばされている。
奴らは無様に地面を転がり、威厳もくそもなく壁に埋もれていた。
傍に佇んでいたサーゼクスはウィスの超越的な力に戦慄し、グレイフィアもスカートを抑えながらも同じ様にウィスから放出される圧倒的なまでの力の本流に圧倒されている。
これが本当にたった一人の存在から放たれる力だというのか。
そう、ただ射抜いただけ。
ウィスは眼力だけでここまでの存在感を放っているのだ。
グレイフィアの予想は正しかった。
ウィスという存在は此方が御し切ることなどできない圧倒的なまでの超越者であったのだと。
超越者と呼ばれる自分でも全く太刀打ちできないことをサーゼクスは強く実感せざるを得ない。
気を抜いてしまえば自分もグレイフィアもその場から吹き飛ばされてしまいそうである。
ウィスから今なお放たれる圧倒的なまでの力はリアスとライザーがいる異空間にまで影響を及ぼし、空間にひびが出始めていた。
このままではあと数秒で異空間そのものが破壊されてしまうだろう。
そう、異空間を含めたこの空間そのものが揺れているのだ。
VIPルーム内の誰もが言葉を発せない。
ウィスの超越者たる力の片鱗に当てられているがゆえに。
「ほっほっほ、これは失礼しました。少し取り乱してしまいまして。」
途端、ウィスは先程までの雰囲気を一変させ、朗らかに笑う。
辺りを支配していた圧倒的な雰囲気が霧散し、周囲に吹き荒れていた暴風も治まった。
「あ…ああ、そうだね。そろそろリアスとライザー君とのレーティングゲームが始まる時間だ。」
周囲を見渡せばいつの間にか破壊された全ての物が修復されている。
影響を及ぼしていた異空間も何事もなかったかのように元通りになっている。
吹き飛ばされ、壁に埋まっていた悪魔の老害共も同様である。
訳が分からない。
今のは幻覚だったのか、それとも現実だったのか。
サーゼクスは長らく感じていなかった恐怖を思い出し、額から冷や汗を流していた。
見ればグレイフィアも同様に肩を上下させ、冷や汗を垂らしている。
「そ…それでは皆様方、モニターをご覧ください。」
息を整えながらもグレイフィアは皆にレーティングゲーム開始の旨を伝える。
グレイフィアの一言によりVIPルームの老害共を含めた全員がモニターを見詰める。
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