襲撃その後
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は、不知火を滅ぼした奴らを知ってるかい?」
「知り、ません。わたしは当時八歳でしたから。あまりよく覚えてもいません。
……八雲さんは、知っているんですか?」
この問いに対し八雲は、顎に手を当てて、少々態とらしくうなってみせた。
「調べれば、わかるだろうね」
「っ……!
わたしにその情報を教えてくれますか」
深紅は一瞬驚愕を浮かべた後、殆ど意識せずにそう尋ねた。
「そこで最初の質問だよ。
君は、復讐を望んでいるかい?」
「……わたしは…………」
深紅は心の中で自問自答を繰り返していた。
−−−わたしは復讐を望んでいる?
たった八つのわたしから家族を奪い、この胸に恐怖を刻み込んで行ったあいつらを……。
いいえ。復讐など望んでいない。今更のことなのだから……。そう、全ては過去のこと。過去を変えることなど、できない……。
でも、わたしは……。
「復讐など、望んでいないです。やっぱり、その情報はいりません」
「ほぉ」
悩んだ末の返答だった。少々意外だったのか、八雲が器用に片方の眉だけ上げてみせる。
「本当にいいのかい?」
「はい。全ては昔のことですし、復讐など無意味です。
でも、一つだけお尋ねしていいですか」
「なんだい?」
「不知火を滅ぼしたのは、どこの国の人ですか?」
これを聞いた八雲は、またしても顎に手をあてる。
「どちらの可能性もあるだろうね。今度調べてみるつもりだけど、聞くかい?」
深紅はわずかに迷ったそぶりを見せた後、
「いえ、結構です」
と言った。
「そうか。訊きたいことはこれだけだよ。今日は悪かったね」
「いえ。こちらこそ、夜分にお邪魔しました」
「失礼しました」
深紅と達也は軽く会釈をし、九重寺を出て行った。
??????
「ごめんね、わざわざ送ってもらっちゃって」
「いや、大したことない。
……それより、本当に良かったのか?」
迷うように瞳を彷徨わせてから、達也がそう尋ねる。
「うん。別にいいの」
「そうか……じゃあ、おやすみ」
「おやすみ達也」
バイクにまたがり去っていく達也の姿を、視界から完全に消えるまで、深紅は目で追い続けていた。
??????
「お前たちは……誰だ?!」
「…………」
その日もいつものように平穏だった。
しかしそれを壊しに、突然侵入者が現れる。
「我等は、不知火を、滅ぼしに来た」
「お前たちは、力を、持ちすぎた」
意識的にか、それとも本当に慣れていないのか、少しカタコトの日本語が耳につく。
声は妙にエコーがかかったようにくぐもっていた。
そいつらは、全員黒ずくめで、顔の部分だけは真っ白な仮面で覆われている。
靴で揃えているのか
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