八本目
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たが、突っ込みながら切れば、相討ちに持ち込める可能性があるらしい。
「やぁぁぁぁぁ!」
しかしそれは容易くパリングされてしまった。
「そんな物か?」
「ざっけんなコラァ!」
剣を引き絞り、思い切り付き出す。
エレンの体のど真ん中へ向かった木剣は、やはり弾かれた。
「もらったぁ!」
直ぐ様右の袖口に隠したナイフをだして、切りつける。
「おっと…」
「チッ…」
だけど、エレンはナイフを避けて大きく体を倒した。
そこへ、すかさず飛び付く。
「うわ!?なにをする!?」
「勝たせてもらうぞエレン!」
エレンの服を右手で掴んで押し倒す。
馬乗りになり、左の袖口に隠したナイフを首筋に当てる。
「俺の勝ちぃ!どううだエレン!」
とエレンの顔を見ると、頬を染めて俺を睨んでいた。
「?」
ふにょん…
ふにょん?
恐る恐る目線を下げると…
「…………だぁぁ!あ!いや!これは!違うんだ!」
弁明を口にしようとした時…
背中からの衝撃で、おれは意識を失った。
side out
「おっと…」
リムの【みねうち】を食らったティグルが、私の胸にたおれてきた。
「あ」
「『あ』じゃないだろうリム。やりすぎだ」
「戦姫を押し倒したのですよ?
あまつさえ胸までさわって…極刑に処すべきです」
「今のは私の不覚だ。腕試しの積もりで甘く見ていたからな。
ここで必要以上に怒りを示せば笑い者になるのは私達だ」
「エレオノーラ様がそう仰るのでしたら」
ふと、私の胸の中で気を失っているティグルを見る。
「…………………」
こいつの寝顔…結構可愛いな…
もしかしてリムの機嫌が悪いのは…
そう思い、リムを見る。
「なんですかエレオノーラ様」
「いやぁ、なんでもないぞ」
「ならどうしてそんなにニヤニヤしているのですか?」
「リム。ティグルが起きるまで膝枕でもしてやればどうだ?」
「な、何を言うのですか!?」
お、紅くなった。
「お前がティグルの寝顔を見れずに不満そうだったからな」
「な!?」
「そう言えばティグルがここに来た初めの日。
やけに遅かったが、ティグルが起きなかったのではなくお前が起こさなかっ…」
「ティグルヴルムド卿を部屋にお連れします!」
そういってリムがティグルをひょいと持ち上げた。
ティグルを横抱きにするその顔は、照れか羞恥か、紅かった。
「一つ言っておくがティグルは私の捕虜だからな。
かってにキズモノにするなよ?」
「しません!」
リム
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