第七章 C.D.の計略
謎の答えは歩いてこない
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が、一つ言えることがある。
「あの時、私の中に何かが入ってきた」
というよりも、納得していた自分の中を、無理やり上書きされたかのような感覚だったらしい。
見たはずのない光景――――息絶える祖父、それを抱える自分、血の滴る武器を構える仮面ライダー
見たはずのない、というのは、後から確認で聞いた話でこっちが偽造されたものだと「思わざるを得ない」からだ。
今だに彼女の中では、剣崎達に説得され納得した記憶と、祖父を殺した仮面ライダーたちへの憎悪の記憶が半々ほどのあるのだそうだ。
「じゃあ、あの変身する道具・・・どこからもらったの?」
「え?ああ、それについてははっきりと言えるわ」
「そうなの?」
「ええ。私が言えるのは「わからない」だけよ」
「えぇ〜・・・・」
そんなことを胸を張って言われても・・・と若干引き気味になる良太郎。
それに対し、ハンと自虐的に笑って手を振るレイカ。
「あれを手に入れた経緯は確かにあるわ。私はあれを「受け取った」。それは確かよ」
しかし、その過程や場所、相手などが一切不明なのだそうだ。
風景を忘れたとか、人相を忘れたとか、そんな次元の話ではない。
「受け取った」という記憶がありながらも、それ以外の一切の情報が全くの「白紙」なのだ。
覚えていないのではない。
記憶からすっぽりと、その部分だけ消しゴムのように消されているのだという。
「でも、そこに違和感がないのが凄いわね。誰が何をしたのか知らないけど、私にとってあの「記憶」は確かな「過去」になってるのよ」
自分の記憶と、偽りの記憶。
それらが同時に存在する以上、彼女にとっての「過去」は二つ存在する。
事実、真実は一つだが、人がそう認識した以上、それが現実の記憶、記録として残る。
まるで量子力学の話になるが、そう言われて良太郎はハタと気づいた。
「「記憶」が・・・「過去」に・・・?」
その言葉は、時の列車に関するライダーである彼らにはなじみの深い言葉だ。
彼らが闘ってきた敵勢力―――その尖兵である怪人・イマジン。
未来から姿を持たずやってきて、砂で構成されるうつろな彼らは人間と契約し、それを(強引に)叶えることで実体化する。
そして、それを叶えると契約した人間の「時間」を乗っ取り、過去へと飛んで破壊活動を行う。
では、そうなったとき仮に電王が彼らを倒しても過去に破壊されたものはそのままなのか?
答えは違う。
イマジンを倒せば、その破壊はなかったことになる。
厳密にいうと、契約した人間の持つ「破壊活動が行われた記憶」も消え、日常の記憶に戻される。
すると、その記憶を元に現実が修復されるのだ。
これ
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