第六十話
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あぁ。なんで男なのに艦娘になれたのかは分かんねぇ。遺伝かなぁ。」
多分、遺伝しかありえないんだけどさ。親父が提督でお袋が艦娘(しかも『始祖』の木曾)。それ以外ありえない組み合わせだ。
すると、瑞鳳と阿武隈は首をかしげた。
「遺伝って…………艦娘って、何から産まれるんですか?」
本日一番、意味が分からない言葉だった。
「……………………さぁな。ホント、よく分かんねぇ。」
何を言っても会話にならなさそうな予感がしたから、それ以上は突っ込まなかった。
もう、今日の夜に拓海に質問攻めしよう。そうじゃねぇと色々と解決しなさすぎる。
「…………塵取りはあるか?」
俺が考え込んでいると、少し離れたところにいた若葉がやって来た。
「ん、持ってくわ…………ってぇ!?」
若干得意気な若葉の横には、ちっちゃい埃の山ができていた。埃の山でこの大きさはちょっと狂気の沙汰だぞ。というか、いつの間に。
「この辺りはだいたい終わっただろう?次行くぞ。」
若葉は俺達にそう言うと、そそくさと歩き始めた。恐らく、次の目的地の食堂だろう。
辺りを見渡すと、確かにかなりきれいになっていた。でも、俺達初めてまだ二十分くらいなのに…………。
「…………若葉ちゃんは、凄いんですよ?なんでもそつなくこなせるんですよ!」
「出撃しても、必ず生きて帰ってきますし…………。」
つまり、この鎮守府でエースと言うなら若葉か……。
「でも、あまり私たちと話してくれないんですよね……。」
「でしょうねぇ……。」
どこぞの呉鎮守府所属の球磨型軽巡洋艦五番艦と似たような香りがする。
まぁ、あれ以上の逸材はそう居ねぇだろうけど。
「さてと、早く行きましょう。」
瑞鳳に促されて、俺達三班は玄関を後にした。
―一方その頃―
「…………あのー、春雨さん?カサカサ言ってるんですけど。」
「動かないで!今、弥生ちゃんがGジェット持ってきますから!」
…………拓海さんがなんでGジェットを買ったのか、よーく理解できた。
私たちは、三階を担当することになった。始めに空き部屋の一つを掃除し終えると、その足で図書館へと入っていった。
図書館は、呉ほど本が多くなく、空いている本棚もかなり多かった。
そして、古鷹さんが長いこと動かしてなくて埃を被っていた踏み台を動かしたときに、そいつは動き始めた。
…………ブラックデビルが。
「あわわわわわわわわわわわわわわ
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