第五十九話
[1/4]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
拓海、冬華、春雨、俺の順番で部屋に入っていった。
…………皆、やつれてるなぁ。
俺が会議室に入って最初にそう思った。
呉の大会議室と同じくらいの大きさの部屋の中には、十人くらいの女の子が座っていた。
…………駆逐艦四、軽巡洋艦二、重巡洋艦二、軽空母二、戦艦二…………ってとこか。確かに、かなり数が少ない。
俺達が部屋に入り終わり、皆の方を見ると、戦艦の一人が声を出した。
「けっ、敬礼!」
その声はかなり震えていたが、全員敬礼をする。全員の顔を見ると、かなり怯えているようだ。
全員が敬礼を止めると、拓海が一歩前に出た。
「皆、初めまして。本日より佐世保鎮守府に着任した、提督の長谷川 拓海です。今日から皆の司令塔として頑張りたいと思うから、よろしくお願いします。」
拓海はそう言いながらお辞儀をした。まぁ、開幕の挨拶としては、妥当なところか。
しかし、佐世保鎮守府の艦娘の皆さんはそうは思わなかったようだ。
「あっ、頭を上げて下さい!!」
突然、軽巡洋艦の一人が叫んだ。
「そうです!なんであなた様が私たちに頭を下げるのですか!?」
…………意味が分からなかった。
「挨拶の時に頭を下げるのは基本だよ。僕は君たちには挨拶をすべきだと思っている。当然の行為だよ。」
皆は、拓海の言葉に、絶句していた。俺と春雨と冬華は、皆に絶句していた。
なんでそんなことでコイツらは過剰に反応してるのかが分からない。
「さてと、それは一回置いといて。本日より佐世保鎮守府に着任した艦娘が三人いる。じゃ、ふ…………夕立くんから。」
…………これ、拓海にとっては罰ゲームなんじゃないかと思い始めた。公の場で夕立って言い直す度に顔を歪めてるもん。
「はいっ!呉鎮守府より異動しまして、本日、佐世保鎮守府に着任した、白露型駆逐艦の四番艦 夕立 改二です!皆、よろしくっぽい!」
…………拓海がそんなことを言ってるとは露知らず、元気な挨拶をする冬華。
「えっと、同じく呉鎮守府より異動してきた、白露型駆逐艦の五番艦 春雨ですっ!よろしくお願いしますっ!」
少し照れながらの紹介となった春雨。相変わらず人前で喋るのが苦手な奴だ。
さてと、俺の番か。
「同じく、呉鎮守府より異動してきた、球磨型軽巡洋艦の五番艦、木曾だ。知ってるかもしれないが、俺は男なのでそこのところよろしく。」
念のため、俺は自分が男であることを言った。まぁ、トラック基地の奴等が知ってたんだ。こいつらも知ってるとは思う。
「なっ…………!?」
「男なのに艦娘!?」
「有り得ないでしょう!?」
「なん
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ