暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
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〜白猫と黒蝶の即興曲〜
交わらない点:Point before#3
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ーと鉢合わせになって時系列や世界観が色々台無しにならないようにするために、運営が直々に設けているサービスという認識でとりあえずはOKだろう。
「……あれ?でもそれだと、そのクエスト進めてるイヨさんしかここって入れないんじゃないの?」
「そこもミソでね。このクエ長めって言ったじゃない?まーざっくり言うとヒゲの臭いで人間の王様が死ぬってだけの
内容
(
オチ
)
なんだけど、その途中でムチャクチャ強い巨人のボスが出てくるのよね」
黒尽くめの女性は新しいコーヒー豆を実体化させながら、隅っこにあった古めかしい焙煎機を引き寄せる。
「しかもそれがなんとびっくりレイド級!完全な初見殺しだし、負けイベントでもないからメンドくさいことこの上ないのよ」
「あ、そうか。そのイベントのせいで途中からレイドパーティーぐらいの人数にさせる必要があるから、ここにも入れるんだね」
正確にはフレンドリストに入ってるなら、という前置詞が付くが、まあ正解。さすがに誰でもとなると、インスタンスマップの定義からして首を傾げることになるからだ。
「……ていうか何がどうなってそうなったの、そのクエ」
「さーぁ?私も途中で止めてるから知んないけど、今のところは割と全体的にシュール系かしら。神話にありがちな、ツッコミどころ満載な感じ。そんなモンだからかボスが負けイベかと思うほど――――」
「
あ
(
・
)
な
(
・
)
た
(
・
)
は
(
・
)
ど
(
・
)
う
(
・
)
思
(
・
)
う
(
・
)
?」
黒揚羽のような凛艶とした声が、ふと耳に入った。
文面だけ見れば、他の誰かに向けての言葉かもしれない。しかし不思議と、ユウキはふっと吸い寄せられるように声のした方向に視線を巡らせた。
それは白く、また黒い少女だった。
そしてどことなく、浮いた少女だった。
いつのまにかスツールに座っていたのは、真っ白いストレートヘアに黒と紫を基調とした未来的なデザインのワンピースに身を包んだ少女だった。耳は長くなく、翅もないのに不思議と妖精のような印象を受ける。
「キミ、だ……れ――――」
ユウキの誰何を人差し指で制し、女店主は長い黒髪を掻き上げつつこう言った。
「何かいる?」
「………………………」
ぼんやりとしてどこか浮世離れした、一種作り物めいた美貌を持つ少女は、微妙に焦点の合ってない
紅玉
(
ガーネット
)
のような瞳をこちらに向けた。
「……あなたは、大切な人が許されないことをしてるのを分かって、それに付いていく?」
全てをすっ飛ばした、不思議な問いだった。
彼女はさらに言い募る。
「私はそれを止められない。他ならない彼にそう言われたから。そう作られたから。だけど彼があの《白いほうの私》のためにすることは決して
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