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何もない俺が異世界転移
第1章.王都編
9.出発

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--この世界に転移した日の翌日の朝--

「準備はよいか?ユーイチ君」

「はい、大丈夫です。」

今日は、テジモフさんと一緒に王都へ出発する日だ。
昨日渡された毛布のおかげでよく眠れたし、朝から美味しい食事も頂いた。
天気もいいし、最高のコンディションだ。


「この近くで馬車が出ているのは隣村のフロールの村からしかないから、
 まずはフロールの村へ移動するとしようか。」


「距離的にはどのくらいなんですか?」

この世界に来て初めて訪れた場所がここで、地図を見せてもらった時も、
隣村の場所は記されていなかったので尋ねてみた。

「そうじゃな...歩いて1時間ほどかの。
 王都へは何かアクシデントがない限り馬車に乗って1週間ほどじゃな。」

「そうなんですか」

アクシデントって...まぁ普通の道にも魔物は出るっていうし多少は覚悟しとかないと...

「あぁそうじゃ、君にこれを渡そうと思っていたんじゃ。」

そうやって渡してきたのは革の鞘に入った鉄の長剣だった。

「昔使っていたものの一つじゃよ、護身用にでも持っておくといい。
 それとこれからの事も考えて、低級の魔物がいれば戦闘の訓練もしておいた方が
 いいと思うしな。」

「ありがとうございます。
 戦闘ですか、僕なんかに出来るのでしょうか...?」

生まれてから力仕事などはあまりしたことも無く、筋肉もあまりついてないのだ。
そのせいか、この剣さえも少し重い。

「大丈夫じゃよ、誰でも最初はそんなもんじゃ。
 わしだってそうじゃったからな。」

「そうだったんですか。」

それなら俺でも強くなれる可能性があることということだ。

「ここらへんの道ならゴブリンがいるはずだが...あぁ、いたいた。」

そういって遠くを見てみると森の近くの方を見るとゴブリンが2匹いた。
よくアニメとかで見てたものよりやっぱり間近で見るとリアルだな。

「少しをここでさっきあげた長剣で戦闘でもしてみるか。」

「えぇ、いきなりですかッ!?」

剣もさっき初めて持って振ったことも無いのに、いきなり戦闘ですか...
テジモフさん意外とスパルタだったりするかな...。

「大丈夫じゃ、危なくなったら助ける。」


ここで俺とテジモフさんはゴブリンのもとへ歩いて行く.


そして、人生/異世界初の戦闘が始まる。
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