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少年怪異録 魑魅魍魎蠢く偽りの桃源郷
旅の目的
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ら感心する。
僕は、クローズアビリティのため、両親が忌み嫌い、孤児院の前に捨てた。
それに気づいた医院長が、引き取って僕を育ててくれた。ここには、15歳までは居ていいと。医院長は言ってくれた。医院長は、僕がクローズアビリティだとしても、暖かい目で見てくれた。他の人達と同じように接してくれた。
でも、孤児院でも、僕のことを汚物を見る目で見る。
まぁ、慣れたことだから気にしなかった。
僕は、この世界を見るために。そして知るために旅に出ることにした。勿論、都市伝説類が好きという理由もあるが。
そして、15歳になって、孤児院を出た。孤児院で、小さい子達が、
「なんで、調お兄ちゃんは旅に出ちゃうの?そんなの嫌だ!」
と泣きじゃくった。何を言っても聞いてくれなさそうな為、僕は泣き止ませる為に、子供達と同じ目線になり、目をしっかりと見つめながら
「なら、お手紙を君達に送るよ」
といつもの口調で言った。そしたら、子供達は、目元を赤く腫れさせて、涙で潤んだ瞳をこちらに向けて、
「本当に?」
と。か細く、今にも消えそうな声で聞いてきた。僕は笑顔で、
「もちろんだよ。」
と返事をした。すると、小さな小指が伸びてきて、
「約束だよ」
と子供達は小指を僕の顔の前まで持ってきた。なので、僕は小さい小指を包むように自分の小指も絡めて、
『指切り』をした。
そして、僕は次に医院長に挨拶をした。
少しの会話の後に、医院長は、笑みを浮かべたまま、無言で、手を僕に伸ばしてきた。僕は意味を理解して、その手を握り返した。もう、言いたいことはわかっていた。
もう、後ろを振り向かずに、僕は旅に出た。
子供達の声を背中で聞きながら、生まれ育ったこの街を出て行った。
僕は最初の街を、
『ラクーン街』
という、僕のいる地域に近い場所にした。
さて、最初の街には、どんな人がいるのか、また、どんな都市伝説があるのか。
僕は胸をおどらせながら、ラクーン街へと、ゆっくりと向かった。
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