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艦隊これくしょん〜男艦娘 木曾〜
番外編〜『最強』の覚醒〜
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『いや、だから知らねぇって。オレからしたら、どうして人間のお前が居るのか知らないわけだし。』
 
前言肯定。『オレ』はかなりめんどくさい奴だ。
 
こんなんだから周りから距離を取られるんだろうなぁ…………少し反省。
 
『でも、どうせ目的は一つなんだろ?』
 
『オレ』は頭を押さえているオレを無視して話し掛けてきた。
 
「…………あぁ。強くなりたい、だ。」
 
オレはそう言うとニヤリと笑った。
 
『オレ』もニヤリと笑った。
 
気が付くと、いつの間にかどんよりと黒い雲が空を半分くらい覆っていた。黒い雲は、段々とその面積を広げていた。
 
『ったく…………『最強』がこれ以上強くなってどうするんだ?そもそも、これ以上があるかすら微妙だろう?』
 
『オレ』は笑ったまま、首を傾けた。
 
「…………強くなりたい理由は知ってるだろ?」
 
『あぁ。オレだからな。』
 
だったら、それは省略だ。
 
「あと、これ以上が有るかだぁ?」
 
オレは『オレ』が後半に口にしてたことを聞き直した。
 
『おう。実際問題、『分からない』って結論が出てたじゃねぇか。』
 
「あぁ。その通りだ。」
 
オレはわざと『オレ』の言葉に被せて言った。
 
確かに他人には、オレがどれだけ強くなれるかは分からない。
 
でも。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「だがな、それはオレにも分からない。」
 
 
 
 
 
 
 
 
 

どこまでも強くなれるかも知れないし、なれないかもしれない。
 
「オレは、バトルジャンキーじゃねぇし、死に場所を探してる訳でもねぇ。」
 
オレが強くなりたい理由は一つ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「オレは、アイツ達を助けるために強くなりたいんだ。」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
それが、オレが『人間』を捨てる理由。
 
既に人間で無い奴があれだけの覚悟をもって、人間であろうとしてるんだ。
 
人間のオレがのうのうと人間であるわけにはいかねぇ。
 
元々、何をしようともしてなかった、しょーもない人生だったんだ。今さら惜しくない。
 
『…………くっくっく…………はははっ…………いやぁ、流石だな。』
 
「どういたしまして。」
 
『オレ』は一頻り笑うと、改まってこちらを見た。
 
『さてと、これから長い付き合いになるかも知れねぇが、よろしく頼むぜ?』
 
「おう。力を貸してくれ。」
 
オレがそう答えると、『オレ』は再び笑った。
 
 
 
 

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