EATING 19
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も落ち着かなかった。
そして放課後…
「夜架!逃げるよ!」
「はい。我が主様」
質問を再開しようとするクラスメイトを振り切り、俺達は校門へダッシュした。
「あら、二人共早いのね」
校門にはハルが待っていてくれた。
その傍らには赤い車がある。
「ハル!早くだして!」
と車に飛び乗ると、
「え?あぁ、バレちゃったんだ?」
と言って運転席に座り、車を急発進させた。
その車内でハルはニヤニヤしながら俺達に質問してきた。
「で、何がバレたの?フリューゲル?イーター?
それとも私達の同居?」
「一番最後だな。
まったく、俺と夜架が恋人同士な訳ないだろう…」
今の俺の容姿は全くかっこよくない。
こんな女っぽい男が夜架みたいな美人と釣り合う訳ないのに」
「ふふ、嬉しい事を言って下さいますね、主様は」
え?あれ?
「声に出てた?」
「うん。はっきり言ってたよ」
は、はずかしいなぁ…
「主様」
クイクイ、と袖を引っ張られた。
「ん?」
「主様は、格好いい悪いではなく、強いのです。
主様の魅力とは、強さとそれに見合った意志です」
意志?俺の?
「俺に意志なんてあるのかな…?
俺はトリオン機関さえ食べれたらそれで…」
「たしかにそうかもね。だけどさ、翼君って防衛任務中いつも私達を守ってくれてるよね?」
それは…当たり前だろう?
「俺はフリューゲルを持ってるんだから、皆を守らないといけないんだ。
強いなら護る、それって当たり前だろ?」
「はい。それが道理です。
しかしこの世にその道理をこなせる人間は少ないのです。
それには、強い意志が必要となるのです」
強い意志…?
「わからない。俺にはそんな意志は無い…と思う」
俺は、自分に出来る事しか出来ないし、自分に出来る事しかしない。
「まー、いつか翼君にも分かる日が来るよ」
そうなのかな…?
「もし自覚が無いなら、それが君の素なんだろうね。
だからさ、翼君は今のまま、ありのままでいいんだよ」
「私達は、そんな主様に惹かれたのです」
ありのままの、俺…
今のまま?
本当に?
いや、だめだ。
俺はもっと強くならないと…
もっと、もっと、もっと!
そして、俺は……
<死>に怯える自分を殺さないといけないんだ…
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