三本目
[3/3]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
モチーフのポケモンだが、一体だけならそう手強い相手ではない。
前世で蜂が恐ろしいとされていたのは、その小ささ故の隠密性と集団で襲ってくる点だ。
だが、たった一体のスピアー程度ならどうとでもなる。
後方にいたスピアーが旋回し、此方へ戻って来た。
そして、俺の目の前で急制動、両腕のスピアを突き出してくる。
だが、それがどうした?
そのスピアを両方とも手で捉える。
いくらポケモンとはいえ、地に足が着いていないならば、踏ん張る事は出来ないだろう。
「スピアー!<どくばり>!」
「な!?」
試験官の声に答えるよう、残った腹部のスピアが、毒々しい色を纏った。
「いかん!ティグル!手を離すんじゃ!」
いや…やってみる!
毒を纏ったそのスピアは、俺の顔面に向かった放たれた。
ガキィィン!
「な!?」
「へへ…」
その一撃を歯で噛んで受け止める。
スピアー自身も驚いているようだ。
この隙に、スピアーを地面に叩きつける。
「スピ!?」
近くにあった手頃な大きさの石を拾い…
「わるいな…これで、エンドマークだ!」
ガス!ガス!ガス!
スピアーの胸部に石を打ちつける。
岩は二倍弱点だから、さぞ効くだろう?
「ピィ…ァ…」
「スピアー戦闘不能!受験者の勝利!」
「は、はは…」
緊張が溶け、後ろに倒れ込む。
「ティグル!」
オーキド博士が、心配そうな声をあげながら、此方へ駆け寄ってくる。
「ティグル!無事か!?ティグル!」
「無事ですよ、オーキド博士」
「おぉ…よかった…。
さぁ、マサラへ帰るぞ。ティッタが心配しておろう」
「そう…ですね」
そこで、俺の意識はフッと消えた。
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ