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とある3年4組の卑怯者
134 挑戦者
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「ほう、君もか」
「はい、わいの兄ちゃんや姉ちゃんも前にスケートの大会に出てましたさかい、わいも頑張ろ思うて・・・」
「そうか、君なら全国どころか、世界大会も夢じゃないな・・・」
「はい、おおきに・・・。ところで、おじさん、誰ですか?」
「おっと、失礼。私は片山と言う者だよ。それではまた全国大会で君の演技見せてもらうよ。ではまた会おう」
「はい、さいなら・・・」
 片山は去って行った。
(片山・・・・。何か聞いた事ある名前やけど、ほなどこやったか?)
 瓜原はそのまま練習を再開した。瓜原は全国大会が楽しみだった。まだ見知らぬライバルが自分を待っていると思うと、会ってみたい気もしたからである。

 全国大会では女子の部も男子の部も同様、同じ場所で行う。女子も全国大会に向けて練習する参加者がいた。
 山梨県のあるスケート場では一人の少女が調整していた。関東大会で金賞を獲得した桂川美葡(かつらがわみほ)である。
 その彼女が休憩すると、一人の女子が彼女の名を呼んだ。
「美葡ちゃん!」
「あ、みきえちゃん」
 学校のクラスメイトの雪田みきえだった。
「転校したこずえから返事が来たんだ。見せてあげるよ」
「え?ありがとう」
 美葡はみきえから受け取った手紙を見せてもらった。

 みきえ

 お手紙ありがとう。私は辛い時があったけど、今は元気にやっているわ。あ、そうそう。美葡ちゃんに次の事を教えてくれるかしら。学校は違うけど美葡ちゃんと同じようにスケートが得意な友達がいて、その子も中部大会で金賞をとったんですって。名前は藤木茂君っていうのよ。男子だけど全国大会は男女同じ場所でやるって聞いたからもし会ったら藤木君に宜しくねって。それじゃ、またね。

 こずえ

 美葡は転校していった友達の手紙を見て感動した。
「こずえちゃん・・・。うん、また会えたらいいワね・・・」
「それに、藤木君って子と知り合いになったってね。美葡ちゃんみたいにスケートが得意なようだけどどんな子かな?」
「そうね、まあ全国であったらみきえちゃんにも教えるワ」
「うん、ありがとう」
 美葡は練習を再開した。みきえも一滑りしようとリンクに入っていった。

 同じ頃東京の八王子。そこには女子スケートの関東大会で美葡にあと一歩及ばずに銀賞に終わった少女が滑っていた。黄花蜜代(きばなみつよ)という女子だった。
(関東では銀は悔しゐけどそれでも全国には行けた・・・。でも他の皆も頑張ってるはず・・・。倍の練習しなゐと駄目だわ!!)
 黄花は練習を続けた。

(よし、今度は足替えのキャメルスピンだ!!)
 静岡県清水市のスケート場では藤木茂もまた、全国大会に向けて練習を続けていた。彼がここで紹介した様々な参加者と巡り会うのは全国大会の時にな
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