私と共に歩む限り 我らの前に敵は無い
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を床へと付ける。
リアスは貴族としてのプライドも王としての貫禄も全てかなぐり捨て、ウィスへと首を垂れた。
「私達を……、ウィスの元で修行させてください!」
リアスはこのどうしようもない現状を打開する術を持ち得ない。
悔しいことにあのライザーは今の自分達よりも何枚も上手なのだ。
奴は豪語するだけの実力を有している。
現状の自分の実力ではどう足掻いた所であのライザーへと勝てるはずもないことは分かっている。
分かり切っているのだ。
今の自分には王としての実力も、眷属を導く先導力も足りない。
未熟、未熟、未熟千万。
この言葉に尽きてしまう。
無論、ライザーとのレーティングゲームに向けて眷属達を引き連れ、修行を行うつもりだ。
だが足りない。
経験、時間、実力、良き指導者、その何もかもが。
ライザーを打倒すべく独学で10日間修行した所で高が知れている。
此処でウィスに断られてしませば本当に自分には後がない。
実力を伸ばせたとしても、レーティングゲームで敗北することは自明の理。
だが、ウィスに指導を受ければ、あるいは……
結果は変わるかもしれない。
前を見ればウィスは奇抜な杖から2個目のデラックスストロベリーパフェを取り出し、口に運んでいた。
リアス達はそんなウィスを固唾を飲みながら見詰める。
「……ええ、別に構いませんよ。」
ナプキンで小猫の口元に付いたクリームを拭き取りながらウィスはそう応えた。
片目は閉じられ、もう片方の紅き瞳を見開きながら静かにリアスを射抜いている。
平時のウィスとは乖離した超越的な雰囲気を醸し出していた。
「それじゃあ……ッ!?」
リアスは気圧されそうになるのを必死に堪えながらウィスの紅き瞳を見つめ返す。
「……但し条件があります。」
突如、ウィスから提示された条件につい身構えてしまうリアス。
「……条件?」
恐る恐るリアスはウィスの言葉を反芻する。
「……そうですね。私にリアスの手作り料理を施してください。」
だがウィスが提示するは意外な条件であった。
「……私の手作り料理?」
そんな簡単な条件で本当に構わないのだろうか。
リアスは怪訝に思わざるを得ない。
「勿論、愛情を込めるのも忘れてはなりませんよ?」
ウィスの瞳はどこまでも澄んでおり、嘘偽りのない言葉であった。
俗物的な願いでもなければ、私欲に塗れた願いでもない。
実にウィスらしい奇想天外な条件であった。
「わ……分かったわ。」
リアスはいそいそと調理の準備を始める。
ウィスの気が変わらない今の内に早めに料理の準備に取
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