りざると
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
ベルは硬い床に正座させられていた。
「……………………」
ギルドの指導室に沈黙が流れる。
「君はどぉーしてこう…」
ベル目の前にはエイナがニッコリ微笑んでいる。
ただ目が据わってるとだけ追記しておく。
「いや、その、ですね…」
「ベート氏に挑発された結果レベル1で15階層まで潜ったと?」
「カッとなってやりました。
反省はしてます後悔はしてません」
「は?」
「ぴぃ!?」
エイナの睨みに、ベルが首を竦める。
その小動物のようなリアクションに、エイナは毒気を抜かれてしまう。
「ヴァレンシュタイン氏、彼の監督はキツく御願いしますよ」
「わかってる。もう目を離さない」
この場に居るのはベル、アイズ、エイナの三人だけだ。
「…次は無いわよベル君」
「はいぃぃ…」
ベルの正面に座るエイナが、今度は数枚の紙を取り出した。
「はい、じゃぁソファーにすわって」
「な、なんでせうか」
「倒したモンスターの種類とおおよその数を書きなさい」
ベルがテーブルを挟みエイナの向かい側、アイズの隣に座る。
「あんまり覚えてないっていうか、その、必死だったので…」
「覚えてる範囲でいいよ」
「じゃ、じゃぁ覚えてるはんいで…」
ベルが渡された『万年筆』で用紙に書き込む。
「エイナさん、ちょっと気になったんで聞いていいですか?」
「何かな?」
「すごく関係無いんですけど、『万年筆』っていつからあるんですか?」
万年筆は1800年代前半に考案され、1800年代後半に実用化された文具だ。
少なくともベルの知識ではそうなっている。
「神々がもたらした利器って言われてるよ」
「なるほど…」
「で、ベル君」
「はい」
「話をそらせば今書いたキラーアント百匹(最低)っていうのを見逃すと思ったのかな?」
ベルがビクッと体を震わせる。
「いえ、15階層まで潜ればそのくらいは…」
「話は後で聞くよ。手を動かしなさい手を」
「(こわぃ…アイズさんは…助けてくれそうにないな…)」
観念したベルはサラサラとモンスターの種族と撃破数を『覚えている範囲で』書き込む。
欄が埋まっていくにつれ、エイナの表情が険しくなる。
そして最後に『ヘルハウンド 50匹(最低) シルバーバック 交戦 敗北』と書いた。
「以上ですっ…!」
モンスターとの交戦数、締めて550(最低)。
そこへ、横からアイズが除き込む。
「(…!? あ、アイズさんの胸が…!?)」
二人の身長差もあって、アイズの胸がベルの肩に押し付けられる。
「ベルの撃破数、最低でも
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ