天使のような子と──
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ああ。確かに可愛いな」
いけないいけない。デート中だというのに考えに耽ってしまっていた。切り替えなくては。
カラオケを終えた俺と南さんは、ショッピングモールで買い物を楽しんでいた。南さんが作るらしい衣装の材料を買ったり、次のμ'sの衣装の参考にする為に、服屋を回ったり。
ほとんど彼女が主導だけど、楽しんでいるようだし別に構わない。俺としても南さんの楽しんでいる姿を見れるのは嬉しいし。
「これで大丈夫かな」
「おっ、もういいの?」
「うん。色々イメージできたからね」
「そっか、それは良かった」
時刻は午後4時に差し掛かるという頃。予定ではもう1箇所行く予定がある。デートの最後を飾るにはもってこいの場所だろう。
その旨を南さんに伝えようとした時だった。
「……あ、あの、すみません!」
「ん?」
背後から声を掛けられた。聞き覚えのない声。誰かと思って振り向くと、そこには見知らぬ女の子2人組がいた。橙色の長髪の女の子と、南さんと同じベージュのナチュラルボブの女の子。どちらも年齢は小学6年生くらいに見える。
「神崎くんの知り合いかな?」
「いや、違うよ。南さんの知り合い……でもなさそうだね」
ということは赤の他人か。一体俺達に何の用だろう? 様子からしてかなり困ってるようだけど……
「どうしたの? 私達に何か用かな?」
南さんが優しく聞く。ここは俺より彼女の方が適任だろう。この子達からしたら南さんは優しいお姉さんだから。
「あの、秋葉原駅に行きたいんですけど道に迷ってしまって……それでここに辿り着いてしまったんです」
「そうなんだ。ということは東京の子じゃないのかな?」
「はい。私達、静岡県の沼津というところから来たんです」
ベージュ色の髪の子が話す。
「沼津? え、遠くない? まさか君達だけで東京に来た訳じゃないよね?」
「いえ! 曜ちゃん……えと、私達2人だけで来たんです!」
「マジか」
沼津といえば、東京から約120キロの距離だぞ? 小学生の頃は親に連れられて水族館に行ったり、海に遊びに行ったりしたが、車でも一時間は掛かっていた。
この子達は2人だけで来たらしいから、必然的に電車か新幹線ということになる。今時の小学生は電車とか新幹線にも平気で乗れるのか。
「それじゃあ、早く秋葉原駅に行かないとだね。ここからあまり離れてないけど、案内する?」
「えっ、良いんですか!?」
「うんっ、もちろん! 神崎くんもそれでいいよね?」
「ああ、このまま放って置くわけにもいかないし」
「わあっ、ありがとうございますっ!」
デートの予定が多少狂ってしまったが、まあ支障は
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