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ソードアート・オンライン〜Another story〜
マザーズ・ロザリオ編
第256話 この場所から始めよう
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葉にしたくて、でもどういえば良いかわからなくて、ただただ泣き声をあげる。それは本当に心地良いものだった。もし、ALO内にいたのなら、もし、病院にいたら、きっと隼人の事を思いっきり抱きしめるのに、とも思えた。
あのBOSSを倒した時。証を残せた時と同じ様に。いや それ以上に……。
『う、ううっ、りゅ、りゅーき、りゅーき……。ぼ、ボク……っ』
ぐすっ、ぐすっ、と何度も何度も今度は声にならない用で嗚咽を漏らしていた。
そんなユウキの声を訊いて、隼人は笑顔のまま傍に寄った。今は何も答えず ただただ聞く事にまわる事が正解であると、判ったからただ黙って傍にいた。
『う、ううっ りゅ、りゅーき。あの、あのね……? そのっ……』
「大丈夫大丈夫。ゆっくりで良いから。オレたちは何処にも行かないから」
隼人に、そして 傍らにいる明日奈に助けてもらって どうにか言葉を紡いだ。
『う、う、うん。え、えと…… 、こ、この後、うぅ え、えーえるおーの、あの はじめてであった場所に、きて……。ボク、たちがはじめてあった、あの場所にっ……』
ユウキは、これ以上は無理だった。言葉でではこれ以上表現する事が出来なかったんだ。ただ言いたい事は1つだけ。『直ぐにででも会いたい』それだけだった。
そして、それはランも同じだった。
『私からも……お願い、します。リュウキ、さん』
声が掠れている様に聞こえるのは、ラン自身もユウキと同じだったから、に尽きるだろう。少しだけ頭の片隅に思い描いたとはいえ、ここまでしてくれるとは思ってなかったから。自分達の親族の人と交渉して……と最初は考えていた。でも 聞いてみて理解してみて、……判った。想像の範疇を超えていた事に。
『感謝を、直接……つたえたい。りゅうき、さん…… に……っ、直接、会いたい……っ。時間を、いただけない、でしょうか……っ?』
ユウキとラン、2人の願い。
それを拒む理由がある筈もない。
隼人は頷き、そして倉橋の方を見た。
倉橋は、ユウキやランの2人が笑顔になるのであれば、と倉橋自身も笑顔で頷いていた。
「ふふ。隼人君。今日の所は此処までで良いと思いますよ。職場にしていく為の立地条件は大体クリアをしていると思います。病院からもそこまで遠くありませんし、交通の便も問題ないレベルです。僕も全力で支援していきますから」
「あっ、私達も付き合いますよ!」
「自宅兼職場にするとなると……うん。身の回りの生活も自分達でしないと、だからね? 遠慮なく言ってよ! 2人ともっ!」
明日奈も玲奈も俄然やる気になっていた。
先程までは無理にでも明るい話題を。笑顔になれる様な話題を、と何処かでは考えて考えて、口をどんどん動かし
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