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ソードアート・オンライン〜Another story〜
マザーズ・ロザリオ編
第256話 この場所から始めよう
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由を少しだけ考えていた。家の事情はあの病院では誰よりも倉橋が一番知っている。親族たちが押し掛けてきた時、対応をしてくれたのもこの倉橋だったから。
だから、また何かあったのでは―――? と少なからず不安がランの中にはあった。
4人それぞれの疑問が頭の中を過ぎっていた時、リュウキは、ニコリと笑って倉橋の方を見た。
「少しばかり早くの公開になりそうですが……僕はもう良いと思います。……どうでしょうか? 倉橋先生」
「ふふふ。そうですね。ここには結城さん達だけじゃなく、紺野くん達も揃っています。流石隼人君です。本当に色々と
持って
(
・・・
)
いますね? 今日の現場の確認はたまたま決まったと言うのに」
「ま、まぁ ただの偶然……だと思いますよ? 別に僕がどうこう言う話じゃないかと……」
2人のやり取り。理解できたか……? と言われれば首を横に振る。まだ全然わからないから。
リュウキは 偶然の出来事なのだけど倉橋に『流石』と言われて、少なからず恥ずかしそうに頭を掻いた後に、4人の方を見た。
「ちょっとしたサプライズのつもり、だったんだ。2人には確認を取らないといけない事だから、直ぐに話すつもりではあったけど」
「え? 2人って私とお姉ちゃん? それともユウキさんやランさんの事?」
「ああ、今のはユウキとランの2人だよ。勿論、玲奈や明日奈にも伝えるつもりだった。……色々と助けてもらう事が多いと思うから」
沢山の疑問を頭に浮かべて、ユウキに至っては 何度も何度も首を傾げて、反対方向に傾げて、痛くなりそうな勢いだった。
でも、ランは少しだけ、ほんの少しだけ この先に言う内容が頭の片隅に浮かんだんだ。
浮かんだのだが、そんな都合の良い事を考えるべきじゃない、と強引に考えを省いていた。
皆と出会えて、自分達の足跡、証を残す為のBOSS攻略が出来て、病気への光明が出来て、……そう、沢山の奇跡と幸福を貰って、これ以上何を望むのだろうか。これ以上の幸福は罰が当たってしまうとさえ思えてしまう程だった。
そんな自分自身の中で葛藤を続けていた間に、リュウキは本題に入ったんだ。
「前に、ユウキやランは言ってた。『返したい。どんな形ででも良いからこの大恩を私達の手で』って」
『へ? あ、あーうん! それはとーぜんだよー! だって、ボク達リュウキには、……皆には沢山、たーーくさん貰ってばっかんだからさっ! アスナやレイナ、リュウキだって ボク達から教わった事があるよーって言ってくれてたけど…… ボク、全く自覚ないから』
『………』
『ね? 姉ちゃん。……あれ? おーい、姉ちゃん??』
ユウキの声に無反応だったラン。だからユウキはもう一度呼びかけた
『……え!? ご、ごめんなさいユウ。
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