襲撃と戦闘
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ングを使えるそうだね?
司波達也君、我らの仲間となりたまえ」
狂気を瞳に閉じ込め、薄笑いを浮かべる司一は恐ろしいほど不気味だった。
しかし達也はもちろん、深紅も白けたような視線を向けるだけだ。
深雪も二人が一緒である為か、気丈にも鳥肌一つ立てていない。
「断る」
達也は司一の言葉に対して、簡潔かつ明確な意思表示をした。
「そうか……ならばこうしよう」
司一は大袈裟な態度でかけていたメガネを放り投げ、前髪をかきあげた。
「我が同士となるがいい!」
司一の両目が、妖しく光った。
脱力したように、達也がCADを持っていた右手を下げる。
「ハハハハハ!これで君はもう我々の仲間だ!」
狂気を隠そうともしない司一の笑い声に重ねるように、深紅が小さく可憐な笑い声を上げた。
「何がおかしいんだい?不知火の御令嬢」
「馬鹿馬鹿しい。猿芝居はもうやめてちょうだい。見ているこっちが恥ずかしいわ」
普段と口調さえ変えて笑う深紅に、司一の動きと笑いが止まる。
「意識干渉型系統外魔法、邪眼」
そして、達也の呟きに表情も凍らせた。
「つまらんヤツだ。メガネを外す右手に注意を向けさせ、左手でCADを操作する。こんな小細工が、俺や深紅に効くわけがないだろう」
「では……壬生先輩の記憶もこれで?」
恐る恐る、深雪が深紅を見た。
「その通りよ、深雪。先輩の記憶違いは不自然に激しかった。この魔法で催眠をかけたのだと思う」
「この……下種が」
深雪の端正な唇から、激しい怒気が放たれる。
「そう、最低だわ。愚劣の極みね」
深紅も激しい怒りの熱を孕んだ視線を向ける。
「バカな、そんな真似……。貴様は一体」
「二人称は君、じゃなかったのか?化けの皮が剥がれているぞ」
まるで続くように、達也からも侮辱の言葉がなされる。
それに生理的な怒りと恐怖を感じたのか、
「う、撃て!撃てぇ!」
司一は左右の部下に射殺を命じた。
しかしそれは、為されない。
達也が銃を分解したために。
パニックが広がる中、それを鎮めようともせずに司一が逃げだした。
「お兄様に深紅、追ってください。ここは私が」
「わかった」
「頼んだよ、深雪」
深紅と達也が、奥の通路へと歩き出した。
するとメンバーの一人が、達也の背中に襲いかかった。
いや、襲いかかろうとした。
その瞬間、男の絶叫が響き渡る。
「愚かね。達也に襲いかかるなど、わたしは許さない」
深紅が視線を向ける床には、全身大火傷を負い、痛みでのたうちまわる男の姿があった。
「深紅、お任せください」
そんな彼女に一言声がかけられる。
深紅と同じく怒りの孕んだ声。
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