襲撃と戦闘
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「このまま放っておけば、壬生先輩は警察送りになりますよ?」
しかし深紅の言葉を聞いて絶句する。
「たしかに……警察沙汰にするのは好ましくないな」
「しかし相手はテロリストだ。命の危険も伴うぞ。一人……いや二人で行くつもりなのか」
今まで黙っていた十文字が、ゆっくりと口を開いた。
鋭い眼差しが、深紅と達也を射抜く。
「本来ならばそうしたいとこですが」
「そうもいかなくなりそうです」
深紅が微苦笑を浮かべるとともに、
「私もお供します」
「あたしも行くわ」
「オレも行くぜ」
深雪、エリカ、レオが参戦の意を示す。
「司波くん、あたしのために危険なところに行くなんてしないでほしい。このまま警察に任せましょう」
沙耶香が若干慌てたような声で止めにかかるが、達也はそれもあっさりと切り捨てた。
「壬生先輩のために行くのではありません。俺は、俺たちの日常を損なうものを全て排除します。これは俺にとっての最優先事項です」
「それより、ブランシュの拠点を訊きましょう。そこにいる彼女なら知っていると思うし」
深紅はそう言いながら、出入り口の扉の方に目を向けた。
「あぁ、そうだな」
全員の不思議そうな視線を受けながら、達也は扉を開いた。
そこに立っていたのは、パンツスーツ姿の遥だった。
「九重秘蔵の弟子から隠れおおせようなんて、流石に甘かったか。不知火さんにもバレてるとは思わなかったけど」
「わたしをあまり甘く見ないでくださいね?」
深紅の言葉に肩をすくめるような動作をし、遥は達也に向き直った。
「さて、と。何かようかしら?」
「とぼけないでください。ここまで来て知らないふりはできませんよ」
遥は一つ小さくため息をつくと、
「地図を出してちょうだい。その方が早いわ」
と言った。
そうして達也の携帯端末に、ブランシュの居場所が送られる。
「目と鼻の先じゃない。舐められたものね」
横から覗き込み、深紅が不機嫌そうに鼻を鳴らす。
「車の方がいいな」
「車なら俺が出そう」
呟くように言った達也に、十文字が素早くこう返す。
「えっ、十文字くんも行くの?」
「十師族として見過ごすわけにはいかないからな」
「じゃあ私も……」
「お前はダメだろ真由美。この状況で生徒会長が不在はまずい」
摩利が素早く真由美を止めると、真由美は不機嫌そうに言った。
「じゃああなたもダメよ、摩利。テロリストの残党が残っているかもしれないわ」
今度は摩利が不機嫌そうに顔をしかめた。
「今からでは夜間戦闘にならないか」
そんな真由美たちは無視し、克人が深紅と達也に目を向ける。
「そんなに時間はかかりませんよ」
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