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魔法科高校の劣等生 〜極炎の紅姫〜
襲撃と戦闘
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、私の腕では到底、お前の相手にはならないから、お前に無駄な時間を過ごさせてしまうことになる。もっと自分に見合った相手を探せ』……違うか?」

なんとなく響きは似ているが、意味は正反対の言葉を摩利が言う。

「あ、あれ……そういえば」
「私がお前に向かって『相手にならない』なんて言うはずがない。魔法なしの剣技は、お前の方が格段に上だったからな」
「じゃ、じゃあ摩利。もしかして壬生さんの勘違いってこと?」

ポカンとした顔の沙耶香に変わり、真由美がそう問いかける。
摩利はそれに対して大きく頷いた。

「な、んだ。あたし、馬鹿みたい。
勝手に勘違いして、勝手に逆恨みして。一年もそれで、無駄にして……」

保健室に沈黙が広がり、沙耶香が嗚咽混じりの言葉を漏らす。

「無駄ではありませんよ」

その沈黙を破ったのは、達也だった。

「エリカが、先輩の技は『剣道小町』の頃より格段に強くなっている、と言っていました。
憎しみと恨みで身につけた強さは悲しいものかもしれませんが、それも先輩の剣です。
己自身を磨き高めた先輩の一年が、無駄なはずありません」

最初驚いたような表情で達也を見上げていた沙耶香も、だんだんと表情を緩めていった。
今は、涙をこぼしていることこそ変わらないが、小さな笑みを浮かべている。

「司波くん、一つお願いがあるんだけど。
もう少し近くに寄ってくれる?」
「はぁ」

不思議そうな顔で沙耶香の座るベットに達也が近づく。
その場の雰囲気が緩まり、皆の間にもホッとしたような空気が流れる。
しかしそれはすぐに、ギョッとしたものへと変わった。
沙耶香が達也の胸に顔を埋めたからだ。
そして、嗚咽は号泣へと変わる。
達也に縋り付き、沙耶香は大声で泣き始めた。
皆がオロオロと顔を見合す中、深紅はそっと、目を伏せた。
??????
その後落ち着きを取り戻した沙耶香から、背後組織がブランシュであることが告げられた。

「予想通りでしたね」
「予想通りすぎて面白くないわ」
「深紅に同感だ。もうちょっとこう、面白い展開が欲しかった」
「深紅も委員長も無茶なこと言わないでください。現実なんてこんなものですよ」

大真面目な顔でぼやく深紅と摩利を、達也が一蹴する。

「問題は、彼らが今どこにいるか、です」
「まさか……彼らと一戦交える気なの?」
「会長、一戦交えるのではなく叩き潰すんですよ」

恐る恐る尋ねた真由美に、達也は過激度を上乗せして答えを返した。

「やるなら徹底的にやらないと」

達也の隣で深紅が、好戦的とも取れる笑みを浮かべる。

「無茶だ!学生の分を超えている」
「私も反対よ。あまりに危険すぎるわ」

即座に摩利と真由美から反対の声が上がった
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