暁 〜小説投稿サイト〜
NEIGHBOR EATER
EATING 15
[1/2]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
カランカラン…

「マスター」

「ああ、陽乃君か…」

ハルに案内されたのは裏路地の小さな喫茶店だった。

店内に客は居ない。

「おや?今日はツレが居るのかい?」

カウンターに立つのは老紳士のようなマスターだった。

「そうそう、私の妹二人」

ぶん殴るぞテメェ。

「俺は男だ」

「あれー?そうだっけ?あと、ここまで来たらフード脱いでいいと思うよ」

それもそうか…

俺はフードを脱ぎ縛って服の中に入れていた髪を外に出す。

「ほう…もしや彼が…」

「そうだよー、彼が三門の守護天使だよ」

「おい…」

「大丈夫、マスターは口堅いから」

いや、知らねぇよ。

「えっと、彼が清輝翼君、ネイバーの八割を屠った英雄」

それデマだからな。

「で、こっちの娘が…」

「羽々斬夜架と申します」

夜架が綺麗な礼をする。

「翼君は私の上司で夜架ちゃんは同僚ってカンジね」

上司の下りでマスターが俺とハルとの間で視線を行ったり来たりさせている。

「上司…?」

「ボーダーは徹底した実力主義、なんだかんだで俺はそれなりに強いらしいよ」

「ふぅむ……天使の噂は聞いていたが…」

「ま、兎に角座りましょう」

と、ハルに奥の方の席に連れて行かれた。

この席…入り口から完全に死角だ…。

ヤバい話には持ってこいの場所だな。

「どう?この店?私のお気に入りなんだよ」

「いいんじゃねぇの?静かで」

「主様の言うとおりです。騒がしい場所は苦手ですわ」

皆でワイワイ…うん、勝手にやってろって思うな。

「二人は騒がしいの嫌い?」

「まぁ…友達居ないし」

「周りは子供ばかりですもの」

お前も子供だろうが。

いや、まぁ言いたい事は解るがな。

「そうだよなー…あんな風に騒いで何が楽しいのかねぇ?」

「二人共…何て言うか…精神年齢高いね…」

それは…まぁ…

「周りが大人ばかりでしたので」

「似たような物だな」

俺は育て親が五月蝿かったので友達は作らなかった。

放課後はもっぱら図書館だ。

「そう、ま、私も同じようなものかなー…」

そう言うハルの顔はどこか寂しげだった。

「それで、二人共何頼む?メロンソーダ?」

「朝っぱらからそのチョイスは無いと思うんだが」

「ハル様はこの店の常連なのでしょう?陽乃様にお任せ致しますわ」

うん、それがいいな。

「じゃぁ二人共フレンチトーストでいい?」

ふれんちとーすと…?

まぁ、それでいいや。

「おう」

「かまいませんわ」

「ん、わかった。マスター!」


[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ