第37話 事情聴取と勘違い
[6/10]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
レサ、さっきの申し出はどう答えるの?」
フィルは話を変えてテレサ先生にさっきの返答をどうするのか聞いた。
「そうですね……フィルさん、あなたはどう思いますか?」
「……まあ普通なら受けたほうがいいよね。でも王都に行ったらクローゼに会えなくなっちゃうし何か寂しく感じる」
「……私も正直嫌です。あそこはテレサ先生とジョセフおじさんと過ごした思い出が一杯詰まった場所ですから……我儘を言ってごめんなさい。でも……」
「クローゼ……ふふ、いいんですよ。あそこは、子供たちとあの人との思い出がつまった大切な場所。でも思い出よりも今を生きることの方が大切なのは言うまでもありません。だから近いうちに結論は出そうと思います」
「……はい」
「……まあわたしはテレサが決めた事なら反対はしないよ」
クローゼとフィルはテレサ先生の言葉に頷いた。
「エステルさん、ヨシュアさん。申し訳ありませんが調査の方をお願いします」
「分かりました。必ず犯人を見つけて見せます!」
あたしはテレサ先生に力強く答えた。
「た、大変だよ!クローゼお姉ちゃん!!」
そこに孤児院の子が慌てた様子で入ってきた。
「マリィちゃん?どうしたの、そんなに慌てて……」
「あのね、あのね!クラムの奴がどこかに行っちゃったのよ!!」
「え……クラム君が?」
どうやら子供の一人がいなくなってしまったらしい。
「うん、さっきクローゼお姉ちゃんがオジさんたちと一緒に二階に上がった時にクラムもついていったんだけど降りてきた時すっごい怖い顔をしながら「絶対許さない!」って言ってそれから姿が見えなくなっちゃったの」
「それって……まさかその子、ルーアンの不良たちの所に行ったんじゃないかしら」
「うん、さっきギルバートさんが話していたことを聞いてしまったんだろう」
「た、大変じゃない!?」
今話に聞いた様子じゃ勢い余ってあいつらの所に乗り込みそうだしそうなったら何をされるか分からないわ。
「とにかく急いでルーアンに向かおう。今なら追いつけるかもしれない」
「ええ、急ぎましょう!」
「私も行きます!」
あたしとヨシュアはクローゼを連れてルーアンに向かった。
ーーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーー
ルーアンに着いたあたしたちは直にあの不良グループがいる南街区の倉庫区画に向かった。するとそこに白い鳥が降りてきてクローゼの腕に止まった。
「その子は?」
「シロハヤブサのようだけど……」
「この子はジークといって私の友達なんです。どうしたの、ジーク?」
「ピューイ!ピュイピュイ!」
「そう、分かったわ……やっぱりあの子、一
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ