第37話 事情聴取と勘違い
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燃え尽きた建物の残骸だった。
「あれ?あんたたちは……」
近くにいた男性たちがあたしたちを見て傍に近寄ってきた。
「ひょっとして君たちは遊撃士協会から来たのかい?」
「う、うん……」
「皆さんはマノリア村の方ですか?」
「ああ、俺たちは瓦礫の片づけをしてたんだ。昨日の夜中に火事が起きて慌てて消火に来たんだけど建物はほとんど焼け落ちてしまった」
「あの、ここに住んでいた人たちはどうなったの?フィルって子があたしたちの知り合いなんだけど……」
「ああ、あの子の知り合いか。大丈夫、全員無事だよ。今はマノリア村の宿屋で休んでもらってる最中なんだ」
「よ、よかったぁ〜……」
フィルや一緒に住んでいた皆は無事だったのね。少し安心したわ……
「ただそのフィルって子が怪我を負ったらしくてね。何でも不審者に襲われたとか……」
「不審者!?じゃあこの火事は……」
「人為的に起こされたもの……だね」
し、信じらんない!?どうして何の罪もない孤児院の人たちにこんな酷い事が出来るの!?
「エステルさん、ヨシュアさん!!」
声をかけられたので振り返るとそこにはクローゼが立っていた。
「あ、クローゼ。あなたも来ていたの?」
「はい、先ほど学園長から孤児院で火事が起きたと知らせを頂いて急いで駆けつけました。フィルさんやテレサ先生、それに子供たちは?」
「大丈夫、皆無事よ。今はマノリア村の宿屋にいるらしいわ」
「そうですか、皆が無事で本当に良かった……」
クローゼはよほど安堵したのか涙を流していた。
「取りあえずマノリア村の宿屋に向かおう。被害にあった人たちから情報を貰わないとね」
「はい、行きましょう」
あたしたちは孤児院を後にしてマノリア村に向かった。
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「先生、みんな……!」
マノリア村に着いたあたしたちは直に宿屋の2階に向かい孤児院の人たちがいる部屋に入った。クローゼが声をかけると全員がクローゼを見て驚いていた。
「あ、クローゼ姉ちゃん!」
「来てくれたんだ……!」
子供たちは嬉しそうにクローゼに駆け寄っていった。
「みんな、怪我はしてない?」
「うん。フィルお姉ちゃんが守ってくれたの」
「でもフィルは怪我をしちゃって……」
「フィルさんが!?」
「あ、クローゼ。来てくれたんだ」
ベットに眠っていたフィルが起き上がってこちらを見ていた。左腕には包帯が巻かれており見ているだけで痛々しい姿だった。
「フィルさん!お怪我は大丈夫なんですか!?」
「ん、見た目ほど深い傷じゃないから大丈夫
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