異伝〜終焉に諍う英雄達の来訪〜第5話
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エオリアは複雑そうな表情で指摘した。
「へ……で、でも結局その人に説得されて碧の大樹の攻略に協力してくれたんですよね?」
「碧の大樹の件はその”例外”に当たるから協力してくれたようよ。ユウナちゃん達も知っているでしょうけど碧の大樹―――いえ、”零の至宝”は”歴史の改変”すらも可能な力があったから、”零の至宝”もそうだけどクロイス家にゼムリア大陸の歴史を歪まさせない為に空の女神は時代を超えて”あの娘”を取り戻そうとしたロイド君達に協力したのよ。」
「あ………」
「それは…………」
「”零の至宝”――――キーア・バニングスですか。」
「へえ……そちらの世界のあの娘は既にバニングス性になっているみたいだね。」
ユウナの疑問に答えたエオリアの説明を聞いたクルトは複雑そうな表情で話を聞いて呆けているユウナに視線を向け、静かな表情で呟いたアルティナの話を聞いたリンは目を丸くした。
「なるほど……ですが、何故”空の女神”は”西ゼムリア同盟”の調印に出席したのでしょうか?”西ゼムリア同盟”は碧の大樹の件とは全く関係のない出来事だと思われる上、過去の存在である自分が未来の出来事に干渉する事を”禁忌”という考えをお持ちなのに、”碧の大樹”という例外を除いた未来の出来事―――それもよりにもよって、政に介入した事には少々疑問が残るのですが………」
「……………………」
ミュゼの疑問を聞き、空の女神の”誰も想像できない真意”を人づてで聞いていたミシェル達はそれぞれ冷や汗をかいて少しの間黙り込み
「え、え〜と………空の女神が何を考えて”西ゼムリア同盟”に出席したかの理由はそれこそ言葉通り”女神のみぞ知る”だから、アタシ達もわからないわ。」
「これはあくまであたし達の想像だけど………ひょっとしたら、空の女神は”リベールの異変”の件で遥か昔に人々の為に自分が渡した”至宝”―――”輝く環”によってリベール王国に迷惑をかけてしまったから、その”詫び”代わりに出席したのかもしれないよ。”空の女神”に”西ゼムリア同盟”の調印式に出席してくれるように、リベール国王のアリシア女王やアリシア女王の跡継ぎであるクローディア王太女自らが偶然リベールを訪れていた”空の女神”を訊ねて、直接嘆願したという話だし。」
(まさかリベールに”家族旅行”に訪れていて、”西ゼムリア同盟”の調印式に出席した理由が子孫に年寄り呼ばわりされたくないという事が一番の理由だなんて言えないわよねぇ……)
やがて我に返るとミシェルとリンは答えを誤魔化し、その様子を見守っていたエオリアは苦笑していた。
(何、今の間は。)
(しかも二人の様子からすると露骨に今考えた答えのように思えるが……)
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