潰えたオアシス・『ユバ』
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バ』が……」
ビビはそんな凄惨な状態の『ユバ』の実態に驚愕を禁じ得ない。
「おいおい、辺り一面が砂に埋もれているぞ」
困惑しながらもビビ達は歩を進める。
木は無残にも枯れ、地面は砂に埋もれている。
周囲の建物は崩れ、空気は死んでいた。
「旅の方々かね。すまんな……。この町は既に死んでいる。だが宿なら幾らでも空いているからゆっくり休んでいくといい」
眼下を見下ろせばとある一人の老人が懸命にスコップを地面へと突き立てていた。
身なりはボロボロの状態であり、スコップを握る手は弱々しい。
見るに疲労困憊の状態だ。
その老人は語る。
砂嵐の猛威はここ3年の間止まることはなく、この『ユバ』の地を蝕んでいったのだと
物資の流通も滞ってしまった地に反乱軍が在留する理由など存在しない。
故に、既にこの『ユバ』に反乱軍はおらず、彼らは次なる本拠地である『カトレア』に身を移したのだと
「どうすんだよ、ビビ……?」
「そんな、じゃあ私達は一体何のためにここまで……」
皮肉にも『カトレア』とは『ユバ』へ渡るために物資を買い込んだ『ナノハナ』の隣に位置するオアシスのことだ。
ルフィ達は完全に無駄足を踏んでいた。
「ビビ?今、ビビと言ったか?」
「ビビちゃんなのかね…?私だよ!分からないか!?」
次の瞬間、その老人は鬼気迫る表情にてビビへと声を掛ける。
戸惑いの声を上げるビビの肩に乗せている手に力はなく、ビビは困惑することしか出来ない。
「まさかトトおじさん……?」
ビビはだいぶ?せてしまっているがあのトトおじさんであることを確信する。
いや、だがこの変わり様は一体……?
「そうだよ……。生きていたんだね、ビビちゃん。良かった、良かった……」
その場でひざを折り、泣き崩れるトトおじさん
ビビは時の経過という名の残酷なまでの変化に言葉が出てこなかった。
―既にアラバスタ王国はビビの思惑から大きく外れ、残酷なまでの破滅へのレールを歩いていた―
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