潰えたオアシス・『ユバ』
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キトの能力の有用性をその身を持って体感したのか感嘆の声を上げる。
これでアキトの周囲は一気に暑苦しいものになった。
右側にはナミ、左側にはビビという形でアキトは砂漠の大地を踏みしめる。
瞬く間に人口密度が上昇した。
予想外に熱い、その一言に限る。
サンジからは殺意を内包した鋭い視線を感じ、ウソップは揶揄うような視線を此方に飛ばしてくる。
ゾロは我関せずといった様子であり、ルフィは後方で今なお呻き声を上げている。
ナミとビビは余程アキトの周囲が気に入ったのか自分から離れようとはしない。
チョッパーは頭の上でバタンキューしている。
言わずもがなカオスな状況の出来上がりである。
どうしてこうなった
誰かこの混沌とした状況を打開してくれ。
アキトは心の中でそう切に願う。
「おお─!前方に休憩できそうな岩場発見!」
朦朧とする意識の中でアキトはウソップの救いの声を聞いた。
「何──!?本当かっ!?休憩タイムだっ──!!」
ウソップからの朗報を聞き、目の色を変えるルフィ
先程までの覇気の無さを霧散させ、即座にルフィは前方の岩場まで移動する。
先程までのルフィの弱々しい様子が嘘のよう速度で岩場まで辿り着いたルフィはその場で寝転がる。
そんなルフィにゾロ達は呆れるしかない。
だが、ルフィはすぐさま岩場から駆け戻ってきた。
尋常ならざる様子で血相を変え、ルフィは此方に一気にまくし立ててくる。
「大変だ!岩場に瀕死の鳥達が倒れてる!?」
「……鳥?」
「ちょっと待って、ルフィさん!?その鳥ってまさかっ……!」
ビビの言葉に従いルフィ達は岩場に戻るも岩場には荷物が綺麗さっぱり無くなっていた。
倒れていた鳥達の姿も見受けられない。
全てがもぬけの殻だ。
「おいおい、これは一体……?」
「多分、"ワルサギ"の仕業よ……」
「"ワルサギ"……?」
ウソップが首を傾げ、疑問の声を上げる。
見ればウソップ以外の全員がビビの次の言葉を待っている。
この惨状の犯人の全容を知りたくて仕様がないようだ。
ビビは重々し気な様子で口を開く。
「ワルサギは巧みに旅人を騙して荷物を盗む"砂漠の盗賊"よ。ごめんなさい、事前に伝えておくべきだったわ……」
「怪我した振りをっ!?何つゥー鳥だよっ!?そりゃサギじゃねーかっ!?」
ほんとそれ
周囲を見れば誰もがこの炎天下とした気候の影響を受け冷静な判断力を失っている。
普段女性関係以外ならば頼りになるはずのサンジがルフィに食って掛かっている。
頭ではどうしようもないことであると理解しながらもその怒りの矛先をルフィに向けるしかな
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