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甘未公方
第一章
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なものを出していた。
 その赤茶色の太いものを見てだ、吉宗は青木に怪訝な顔で尋ねた。
「この奇妙なものがか」
「はい、薩摩芋です」
「ふむ、芋というからな」
 吉宗は彼が知っている芋から述べた。
「山芋かと思ったが」
「また違いまして」
「芋は芋でもか」
「はい、味も食べた時の感じもです」
「違うか」
「左様です」
「食して美味いと聞いておる」
 吉宗はその薩摩芋を奇妙なものを見る目のまま見つつ青木に言った。
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