第三章
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「こっちもね」
「美味しいんだね」
「うん、しかしね」
「しかし?」
「何でこうしたスパゲティが出来たのか」
このことについてだ、ホセは店のナポリタンを食べつつ言った。
「それはどうしてなのかな」
「ああ、そのことだね」
「何度も言うけれどナポリにはないから」
このナポリタンはというのだ。
「本当にね」
「そうだね、それはね」
「それは?」
「実はアメリカ軍が来た時にね」
「ああ、大戦の後で」
「そのことはイタリアとも一緒だね」
ホセはこのことも話した。
「アメリカ軍が来たのは」
「そうだったね」
「それでアメリカ軍の食材でカルボナーラが出来たというけれど」
こちらのスパゲティもというのだ。
「それは日本でもだね」
「ナポリタンもね、まあ諸説あってスパゲティが入ってからね」
「その時からなんだ」
「ケチャップを使ったスパゲティがあったみたいだし海軍でも食べられていたよ」
「帝国海軍に」
「そのこともあってね」
ナポリタンの誕生には諸説あるというのだ。
「まあ色々言われてるけれど」
「アメリカ軍からだね」
「アメリカ軍が食べていたケチャップをかけたスパゲティからね」
「出来たともだね」
「言われているよ」
そうだというのだ。
「そこは色々なんだ」
「そうだったんだ」
「ナポリからアメリカへの移民の人がアメリカで広めたというし」
「スパゲティをだね」
「それでアメリカ軍でも食べていて」
スパゲティ、それをだ。
「日本でも食べていて」
「ケチャップをかけたそれを」
「そこから横浜のレストラン、ホテルの中のそれだったかな」
「そこがはじめたんだね」
「そう言われているよ」
「成程ね、ルーツはアメリカいや」
ホセは言いつつ考えてこう言った。
「ナポリかな」
「大本はそうなるかな」
「イタリアじゃトマトだけれどアメリカはケチャップをよく使うから」
「そうなったみたいだね、紆余曲折から」
「大体の流れがわかったよ、まあカルボナーラとね」
「アメリカが関わっている点は同じだね」
「そうだね、しかしね」
ここでこう言ったホセだった。
「日本で完成されたスパゲティなのは事実だから」
「日本のスパゲティだっていうんだね、ナポリタンは」
「ナポリじゃなくてね、ただね」
ここでだ、ホセは慎吾ににこりと笑ってこう言った。
「一つ確かなことがあるよ」
「それは何かな」
「美味しいということだよ」
このことはとだ、その笑顔で言うのだった。
「ナポリタンがね」
「その歴史に関わらず」
「そのことは確かだよ、そう言える根拠はね」
「食べてみてその味を知っていることだね」
「そう、だからね」
「はっきりと言えるんだね」
「確かなことがね、
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