第四章
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「絶対に」
「そう、話し合いが通じない相手もいるでしょ」
「世の中にはな」
「そうした相手が目の前に出て来ても大丈夫な様にね」
「こうしたものを用意しておいてな」
「用心しておきましょう」
「それじゃあな」
こうした話をした二人だった、そうして用心をしているとだ。
また通り魔のニュースが来た、だが通り魔達は。
何と若菜がパートに行っているコンビニでアルバイトをしているあの大学生の娘が襲われたところを撃退した、持っていた傘で何度も激しく刺して撃退したというのだ。
通り魔はダメージを受けて動けなくなった時を警官達に取り押さえられた、こうして通り魔事件は終わったが。
その話を聞いてだ、若菜はコンビニに出勤した時に大学生のむす円に驚いて声をかけた。
「ニュース見たけれど」
「いえ、興津さんに言われてです」
「護身でなの」
「はい、いつも傘を持っている様にしていたら」
そうして外に出ているとというのだ。
「その通り魔が出て来まして」
「傘でなのね」
「もう無我夢中で突きまくったら」
「撃退出来たの」
「そうなんです、若し興津さんに言われなかったら」
護身のことをというのだ。
「どうなっていたか」
「わからなかったのね」
「本当に刺されたり切られたりして」
大学生の娘は強張った顔になって若菜に話した。
「大怪我をしたり死んでたりしてたら」
「そう思うとね」
「はい、物凄く怖いです」
「女の子だからお顔を切られたりしたら」
「そうも思いました」
「それじゃあ」
「はい、興津さんの一言で」
まさにというのだ。
「私助かりました、有難うございます」
「私はただ言っただけだから」
笑って返した若菜だった。
「何でもないわよ」
「いえいえ、興津さんの言葉がなけば」
「どうなっていたかわからない」
「そう言うのね」
「はい」
こう若菜に答えた。
「本当に有難うございます」
「ううん、まあとにかく無事でよかったわ」
お礼には気恥ずかしく思ったが彼女が無事であったことは素直に嬉しかった。それで夜に家で幸平にこのことを話すと。
するとだ、夫はこう妻に言った。
「そうそう、君の言葉ってね」
「何かとなの」
「いいんだよ」
「助かるの」
「そうなんだよ」
こう言うのだった。
「俺にしても」
「一言が」
「私がいつも言うことが」
「まさにそれがね、よく雨降りそうなら傘持ってけって言うだろ」
「ええ、それはね」
その通りだとだ、若菜も答える。
「そうよね」
「それが助かるんだよ」
「そうなの」
「だからこれからもな」
「言って欲しいのね」
「そうしてくれるかな」
「ええ、これは私の性分だしね」
慎重で心配性だ、それで自分も備えて
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