十 操演の幕開け
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じ十体の傀儡を同時に操る、チヨ婆極意の指の数。
城一つを落としたほどの攻撃力を誇る故にチヨ自らが禁じていた傀儡衆【白秘技・十機近松の集】だ。
だがその十倍の数をも保持している己の【赤秘技・百機の操演】を前にしては、たとえその禁じられた技でさえ霞んでしまうだろう。
己の勝利を確信し、冷笑するサソリに、いのは身構えた。
「勝負は数じゃない」
チヨがいのに囁く。チャクラ糸を結んで、いのを傀儡人形と同じく操ってくれるらしいチヨに、いのは囁き返した。
「チヨ婆様。申し訳ないですけど、私を操り続けてくださいね」
「わかっておる」
ぐっと腰を落としたいのに、チヨは頷く。
サソリの攻撃を回避するには、自分の補助が必要だろう。
いのが地を蹴ったのと、チヨが指を構えるのを、サソリは見下した。
無駄な足掻きを、と嘲笑する。
「たった二人で何ができる…!!」
瞬間、百体もの傀儡が一斉に、チヨといのに向かって襲い掛かる。
数多の傀儡の猛攻撃に、無駄のない動きで傀儡を操るチヨに、内心、称賛しつつ、サソリはいのに視線を向けた。
二人が自分の傀儡の数を減らす一方、サソリがいのを狙うのは至極当然。
その後、チヨに攻撃を集中させ、さっさと操演を終わらせてやる。
(まずはコイツから…)
攻撃の矛先をいのに集中させる。サソリに従い、傀儡人形がいの一人に殺到した。
怒涛の攻撃がいのひとりに襲い掛かる。
「…いの!!」
白煙が立ち昇る。
いくら自分がチャクラ糸で操っているとは言え、既に【白秘技・十機近松の集】を操っている身。
チヨは己の指をくいっと引っ張り、いのの身体と繋がっているか確認する。
手ごたえを感じ、ほっとする反面、今のサソリの攻撃をかわし切ったいのに、内心舌を巻いた。
(自らでも見極めないと、サソリの攻撃は回避し切れん…大した小娘だ)
白煙が晴れた向こうで、いのの無事な姿を認め、胸を撫で下ろすチヨに反して、サソリは眉を顰めた。
(なんだ…?)
今の攻撃は確実に、いのに命中したはずだ。
だが、掠り傷一つないいのの姿に、サソリは一瞬違和感を覚える。
もう一度、改めて攻撃しようとした彼はハッ、と身を翻す。
「よそ見している場合かのぉ!!」
チヨの傀儡人形の攻撃。
いつの間にか間近にまで接近していた傀儡を、サソリは冷ややかに見やった。
自分の傀儡で容易にチヨの攻撃を受ける。
そのままチヨの人形を破壊しようとしたが、すんでのところで後退した白秘技の一体に、サソリはチッと舌打ちした。
傀儡師同士の壮絶な戦闘。
その片隅で
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