十 操演の幕開け
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「『木ノ葉の白い牙』の息子である『写輪眼のカカシ』を殺せば、仇を討ち、優れた傀儡人形の器も手に入る。一石二鳥だ」
その上、九尾の人柱力まで手に入れられたら言う事ないのだがな、とサソリは悪びれもなく言い放つ。
父の罪はその子どもであるカカシには関係ないことだ、とチヨが反論したところで、聞く耳を持たない。
「…………黙って聞いてりゃ、好き放題ベラベラ言ってくれちゃって…でもおかげで良い事を聞いたわ〜…」
サソリの話を黙って聞いていたいのは、湧き立つ怒りを全力で抑えた。
できるだけ冷静になることを努め、静かに口を開く。
「アナタ、今、『大蛇丸』って言ったわね」
「ああ…。アイツとは昔、組んでたからな」
かつて、『暁』でパートナーだった大蛇丸の事を訊ねられ、サソリは怪訝な表情を浮かべつつも答えてやる。
その返答に、いのは眼光を鋭くさせた。
「────なら、色々と聞きたいことがあるわ」
木ノ葉の里を抜け、大蛇丸の下へ行ってしまった、うちはサスケ…そして春野サクラ。
想い人と親友の居場所を知る為に、いのはサソリを鋭く睨み据える。
いのの急激な感情の高ぶりに、サソリは首を傾げつつも、己の目的を改めて告げた。
「あいにくだったな。俺はさっさとお前らを片付けて、さっきの奴らを追い駆けないといけない。早くしねぇと、せっかくの傀儡人形の器をデイダラが爆死しかねないからな」
人間の死体からつくる人傀儡。傷一つでもつけられたら、堪ったものじゃない。
特にデイダラの攻撃は爆発だ。欠片も残らないほどバラバラにされてもらっては困る。
「人を待たせるのは嫌いなもんでね。質問に答えている時間はない。答えてやる義理もねぇしな」
九尾の人柱力はノルマなので、自分の判断で勝手に傀儡には出来ないだろうが、九尾を抜いた後なら交渉してみてもいいだろう。
なんせ、あのナルトに似た相貌だ。傀儡人形としてコレクションするのも悪くない。
そして『木ノ葉の白い牙』の息子である『写輪眼のカカシ』も良い人傀儡になるだろう。
「コピー忍者と九尾の人柱力……後者は『暁』の意向がどうかわからねぇが、前者は俺のコレクションの一体に加えても構わないだろうよ」
言外にナルとカカシを殺すと告げるサソリに、いのは抑えていた怒りを解放する。
洞窟の外にある鳥居を背に、彼女は吼えた。
「そんなことさせない…!許さない…!!」
「威勢が良いな、小娘。この数を前に、何をどう許さないって?」
圧倒的な傀儡人形を従わせ、サソリはいのを鼻で嗤う。
傀儡使いは使える人形の数でその者の能力を量れるとされる。
指の数と同
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