第八話
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実はサラがトワに渡す書類を一枚荷物に挟んでうっかり持ち帰っており、このあと別の仕事があるからとこちらに頼んできたのだ。最初はリィンが行くと言っていたのだが、旧校舎のから出る時に入り口への転送装置を使った時に三人が驚きつつもホッとしていたのをカイムは見ており、思いのほか疲れていると判断し一番疲れていない自分が行くと名乗り出たのだ。すまなそうに礼を言いながら寮に帰る三人を見送り今に至る。
「さて着いたっと。失礼します。」
生徒会館に入り生徒会室の前でカイムはドアをノックし、返事を聞いた後に中に入った。
「あっ、カイム君お疲れ様っ!どうしたの?」
「サラが渡し忘れた書類を届けに来ました。」
そう言いながらカイムはトワに書類を差し出した。書類を受け取ったトワは暫く読んだ後、嬉しそうに笑った。
「ああっ、良かったぁ!一枚足りなくてどうしようと思ってたんだ。」
「うちの担任が本当にご迷惑を……。」
「あわわ、別にそんな謝らなくても……。」
サラに変わり謝罪した後、カイムはトワの机の上を見た。まだ書類などがそこそこあり仕事が終わってないようだ。
「もしよければ手伝いましょうか?」
「ええ!?そんなの悪いよ、カイム君も疲れてるでしょ?」
「いやあ、あれくらいなら結構経験あるんで。それに書類仕事ならよく王都で手伝ってたんで役に立てると思いますよ?」
「……ふふっ、ありがとう。カイム君は優しいね。それじゃ、あとちょっとだけ手伝ってくれる?」
「了解。」
それから暫くトワの仕事を手伝い、会長であるトワがやらなければいけない仕事以外は全て片付けた後、休憩としてお茶を飲んでいた。
「本当に助かっちゃった。まさか私の担当のやつ以外全部終わらせてくれるなんて。」
「元の所属が所属なもんで。助けになったんならなによりです。」
「……そういえば本当にいいの?生徒会の仕事、教官に言われたからって絶対にやらなきゃダメってことはないと思うしそっちのお仕事もあるんじゃない?」
「ああ大丈夫ですよ。ペース配分は整えてますし、こっちの事情知ったみたいで基本はリィンがやるって言ってくれましたし。本当に駄目なら任せるんで。」
「そうなの?でもリィン君は?」
「俺も聞いてみました。そしたらまあ深くは言ってはくれませんでしたが自分の為に是非やりたいとか言ってました。まあここに入るくらいだし何かあるんでしょ。」
カイムはそう言うが実の所彼の素性も実家の事もしっかり知っている。だからこそ彼の悩みのようなものもおぼろげながら察しはついていた。とはいえ彼自身がまだ語らない上にかなりプライベートな部分に踏み込んでしまうのでカイムも深くは聞いてはいないが
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