アインクラッド編
ボスの脅威
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のは自己責任だ。他の誰のせいでもないし,することもできない。
死ぬことが怖いなら〈始まりの街〉に引きこもっていればいい。フィールドに出たからには死のリスクを自ら背負うと言うことだ。
ベータテスターにその業を背負わせることは筋違いであるとアスカは思っている。
それに本当にこのゲームのクリアを望むのなら、ベータテスターの協力は必要不可欠であることぐらいネットゲーム初心者のアスカにも分かる。
ベータテストによる情報を駆使している彼らのレベルは高い。ボスに挑む際、レベルの高いプレイヤーが1人でも多くいることに越したことはない。こんな状況でテスターと非テスターに確執を生じさせても誰の得にもならない。
ボス戦の前の無遠慮なキバオウの発言に苛立ちを覚えていることも無論含まれてはいるが・・・。
最後に怒鳴った後、キバオウは自分のパーティーのところに戻っていく。
何を言われたのかは分からないが、キリトの表情は硬く、少し青ざめている。
「大丈夫か?」
アスカは近寄りながら、キリトの表情を見て小声で訊ねる。
男と偽ってソロプレイヤーをしているだけあって、このキリトという少女はポーカーフェイスが結構上手いし、女性にしてはたいした胆力の持ち主である。
そのキリトがここまで分かりやすく表情に内面の気持ちを出すことはめずらしい。
「・・・うん。大丈夫」
全然大丈夫そうではない。が、2人の間のプライベートな話である可能性がある以上,深く突っ込むことはできない。
「そうか・・・・」
「心配してくれてありがとう。・・・そろそろ次の取り巻きがポップするから集中しよう」
キリトが言い終わった直後、ボスが大気を振るわすような咆吼を上げる。
どうやら3本目のHPバーが消滅したようだ。
ボスがブン!と両手を上げて、斧とバックラーを投げ捨てる。派手な音を立てて斧とバックラーがボス部屋の床に転がる。
ボスは掲げた右腕を背中の得物の柄にやり――
じゃきん!!
と音を立てながらその得物を引き抜く。
先ほどまでの骨から削って作り出されたような無骨な斧と違い、何度も製鉄し鍛え上げたような、鈍色に輝く剣だ。
ディアベルの指示で数人のプレイヤーがボスを取り囲む。事前の打ち合わせ通り。
アスカも視界の端でその光景を捉えながら、ポップするであろう取り巻きの相手をするため視線を逸らそうとする。
しかし、隣のキリトは訝しむような視線をボス・・・いや,ボスの剣へと注いでいる。
訝しむような表情は徐々に緊迫したようなものへと変わっていく。
途端、女であることを隠すことも忘れたように高い声でキリトが叫んだ。
「あ・・・!!だ、だめ!今すぐ後ろに全力で飛んで!!」
直後、
どうっ!!
ボスの巨?が高く垂直に跳ね
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