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衛宮士郎の新たなる道
第15話 調理場こそ我が戦場
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ません。ですがこれも必要な事なのです。これからの事を考えれば」

 本当にすまなさそうに答える。

 「お返しと言う訳ではありませんが、私もルーラーとしての権限で言えば弱体化しています」
 「・・・・・・良いのか?そんな事を余に言って」
 「今後、戦術を組むにあたって必要な事でしょうから」
 「成程な。お互い前途多難だな」

 今度は苦笑から苦笑いに代わる2人。

 「話はまだあります。これはまだ推測と探った感覚の段階ですが、この世界の何処かに私以外のルーラーが最低もう一人います」
 「・・・・・・それはつまり、お主の弱体化に関係していると言う事か?」
 「分かりません。分かりませんが無関係とも言えない――――と、考えています」
 「そうか。それで大聖杯は?」
 「それも解らないのです。申し訳ないのですが」
 「いや、余こそ不躾な問ですまない」

 既にルーラーとして弱体化していると聞いていた筈なのに、気が回らずにと言う意味で。

 「兎に角、これからは足並みをそろえて行きましょう。明確な敵がいる事はミス・マープル経由で私も聞いていますから」

 ガイアの使徒に謎のテロ組織、死神に似た謎のサーヴァントに義経達を襲撃した組織、極めつけはこの世界の裏社会で有名な最強の殺し屋。

 「うむ。後手に回りすぎない様、これからも気を引き締めて事に掛かろうぞ」
 「ええ、マスターたちも守ろうとしている、この平穏の為にも」

 それは2人のサーヴァントの紛れもない本心だった。
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