第五章
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「それじゃあね」
「是非お参りしないといけないわ」
「将来あたし達が結婚したらね」
「子沢山になればいいし」
「三人共そう言うのなら」
それならとだ、怪訝な顔で言う進次郎だった。
「いいけれどね」
「はい、それじゃあ明後日は」
「その神社にもお参りさせてもらいますね」
「叔母さんと一緒に」
三人は笑顔で応えた、そしてだった。
三人共実際に住吉大社やその辺りを案内してもらった次の日は都島区とその近くを案内してもらった、その犬神の神社にもだ。
進次郎の妻に案内されて入った、ごく普通の大きさのごく普通の規模の神社だった。
その神社の中に入ってだ、まずは陽向が言った。
「いい神社ね」
「そうね、街中の落ち着いた雰囲気で」
愛は二番目の姉の言葉に頷いて応えた。
「いて落ち着くわ」
「そうでしょ、ここはこの辺りの子供達の遊び場でもあるし」
進次郎の妻も案内役として話した。
「いい場所よ」
「そうですね、ここにいますと」
静流が彼女に応えた。
「心が奇麗になる感じがします」
「神社だけあってね」
「そうした気分になるわね」
陽向と愛も言うのだった。
「家のご近所にこうした場所があると」
「やっぱりいいわよね」
「私達の近くにも神社がありますけれど」
また静流が言ってきた。
「やっぱり神社はいいですね」
「そうよね」
「お家の近くに神社があると」
実際にとだ、三人で言う。そしてだった。
ふとだ、静流は神社の本堂にだった。ある者達を見た。実は彼女達三姉妹はそうしたものが見えるのだ。
「あそこに」
「あっ、あれは」
「犬神ね」
「あれっ、貴女達ひょっとして」
進次郎の妻も三人の言葉を聞いてわかった。
「見えるの?」
「はい、実は」
「お母さんの血らしいんですが」
「見えるの」
そうしたものがというのだ。
「昔からね」
「それでわかるんです」
「この神社におられる神様も」
「そうなの、それじゃあ」
進次郎の妻は三人の言葉を聞いて彼女達に尋ねた。
「どんな神様かしら、この神社の神様は」
「まさに犬神様ですね」
静流が答えた。
「犬のお顔で神主さんの服を着た」
「それで烏帽子を被って杓子を持った」
「そうした神様です」
まさにというのだ。
「本当に」
「それでその神様がなの」
「はい、何柱かおられて」
「あれこれと働いてますよ」
陽向も話した。
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