第一部 GI歴末からLP歴の終わりまで
第00話 光の神の気まぐれ
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成は、生き残り将来性のある者を選びます。
現在レベルが同じであれば、才能限界値が高いと思われる者を優先して下さい。
技能についても今は未熟でもセンスのある者がいれば同じように」
半月後――
ローゼスグラードの第三軍を消滅させたのは、人間破壊爆弾というものらしい。
ゼス王立博物館に封印されていたものが、魔軍に奪われヘルマンで使用された。
偶然の産物で出来たものらしく、魔軍が複製できなかったのは幸いだ。
お陰で連日の爆撃を浴びながらもゴーラクは半月ほど持った。
その間に第五軍と上杉軍の将軍たちを撤退させることができた。十分な成果だ。
今やゴーラクは魔軍に完全包囲されている。死の覚悟はできている。
ただ、自分に少しでも才能があれば違ったのだろうか……。
この期に及んで、そんなことを考えてしまった。
「才能限界が、技能レベルがあれば、まだ戦えただろうか」
「そーのーねーがーいー、かーなーえーよーう」
他には誰もいないはず部屋に重々しい声が響く。
突然、周囲がまぶしく光った。
見ると、その光源を背にした、なんだか変なシルエットがある。
「な、何者だ!」
「我が名はG.O.D.なり。光の神である!」
目がちかちかして、まともに見ることができない。
「いきなり……神様が何用ですか?」
この世界を運営する神の存在は疑いようがない。
しかし神は人間という種を贔屓しているわけではないのだ。
AL教の崇める女神ALICEでさえ、この惨事に奇跡の一つも起こしていない。
「貴様のその願いを叶えよう。我の像を守った褒美だ」
あ、思い出した。変なシルエットに見覚えがある。
魔物に殺されようしていた神官が盾にした黄金像だ。
「あの神官は、我を模した像を盾にしたが、貴様は我を守った」
いや、咄嗟に飛び出したのは神官を守るためだったのだが……それは言わないでおこう。
「それなら魔軍を、魔人を、魔王を滅ぼして下さい!」
「それはできん」
「光の神は、魔王より弱いんですか?」
「我は一級神ぞ。魔王なんぞよりも強いし、偉いのだ」
「だったら!」
「駄目だ。怒られる」
「誰にですか!?」
「ごほっん、世界には理がある。それを運営たる神が乱すわけにはいかん」
「けど、今さら力を貰っても、どうしようもない!」
「分かっておる。ならばこそ何時に再び人生をやり直すチャンスを与えよう」
「どういうことですか?」
「才能と加護を与える。もう一度、歴史に抗うが良い。忘れるな道を無数にあることを」
そして僕は大きな光に包まれて意識を失
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