"訣別"と"ヒルルクの桜"
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アキトは2人の手助けを受けながら城内へと足を進めていった。
▽▲▽▲
「かなり無茶したみたいだね、小僧?」
此処はナミが寝ている寝室とは別の寝室。
アキトはウソップとビビの2人の助力を経て何とかこの場へと辿り着いた。
「申し訳ないです。少し、無茶をしてしまいまして……」
Dr.くれはの言葉に返す言葉も思い付かないアキト
「外傷はないようだけど体内に蓄積されている疲労は底知れないものがあるね。加えて今のあんたの体の中はボロボロの状態だよ」
流石にあれだけ強大な力を行使するにはそれ相応の代償を強いられたことをアキトは実感する。
使い勝手の悪い力にアキトは思わず嘆息する。
暫くの間、自分は力の半分どころか2割の力も出すことはできないだろう。
無理して3割。
仮に3割の力を出せたとしても更なる負担を強いられてしまうことは想像に難くない。
「へー、アキトの体内は今そんなにボロボロなのか」
以外とばかりにウソップはアキトの体をツンツンと指先で軽く突く。
ウソップ本人は本当に軽い気持ちで触っているのだろうが此方は普通に痛い。
「ウソップ、止めろ。地味に痛い」
止めろ、今の自分にそれはかなり効く。
「ところでワポルとムッシュール達はどうなったのかね、アキト君?」
ドルトンさんどこか躊躇した様子で此方へとそう尋ねてくる。
疲労困憊の状態であるアキトに対して尋ねる質問ではないことは分かっているのだろう。
だが、それ以上にどうしても此度の事件の首謀者であるワポル達の顛末を知っておきたいに違いない。
まあ、別にドルトンさんの質問を拒否する理由が此方には別に無いため普通に応えさせてもらうが。
「そうですね。ワポルの部下であるピエロのような男とアフロの男の2人組は城外で事切れていることはご存知ですよね?」
城外ではクレーターの中に仲良く沈んでいる。
確認したければ城外へ、どうぞ
「ああ、知っているとも」
どうやら既に確認済みのようだ。
ドルトンさんが此方に求めているのはワポルとムッシュールの顛末であろう。
「ワポル達はもう二度とこの国へ足を踏み入れることはありません」
アキトは敢えてドルトンさんの質問に抽象的に答える。
わざわざ今回の事件に負い目を感じている彼に自分が奴らを殺したことを直接伝えることはないだろう。
素直に自分がワポルとムッシュールの2人を始末したと言ってしまえばドルトンさんは更に深く負い目を感じてしまうだろうから。
「ほ…星?つまりアキトはそのワポルとムッシュールって奴らを遥か遠くまで吹き飛ばしたってことか?」
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