"訣別"と"ヒルルクの桜"
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ゾロの3人が此方に気付き、手を振っていた。
無論、ゾロは無愛想に此方を見据えているだけであるが。
だがそんな穏やかな光景も長くは続かない。
次の瞬間、アキトの身に不幸が降りかかったからだ。
恐らくゾロ達の姿を見たことで無意識に気が抜けてしまったのだろう。
残り僅かであった体力が遂に底を尽き、アキトは能力を強制的に解除されてしまう。
もはやアキトに宙を制する力はなく、その身を為す術もなく空中へと放り出されてしまった。
途端、感じる晴れ晴れとしたまでの開放感と浮遊感
その時のアキトは珍しく間抜けな顔をしていたという。
見れば眼下のゾロ達は目を大きく見開き、此方を驚いた様子で見ている。
しかし、今のアキトに抗う術などあるはずもなく、重力に逆らうことなく眼下へと一直線に落ちていった。
ゾロ達の元へと……
▽▲▽▲
「「「……」」」
三者三様に口を閉ざすルフィとサンジとチョッパーの2人と1匹。
初対面であるはずのルフィとサンジの2人に凝視されたチョッパーは思わず後退せざるを得ない。
所謂自分の野生の本能とも呼ぶべきものが己の身に迫り来る危険を知らせているのだ。
先程からは警鐘が絶えず鳴り響いている。
彼らからは友好的な関係を築こうとする意思が全く感じられない。
そう、奴らのあの目は捕食者のそれだ。
自分を食料としか見ていない。
今にも自分を捕獲し、食材にしようとその眼を爛々とぎらつかせているのだ。
一歩、また一歩とルフィとサンジが進むごとにチョッパーは同じ歩数分だけ後退する。
ルフィとサンジが一歩、また一歩と全身し…
対するチョッパーは一歩、また一歩と後退し…
彼らは対峙した。
「に…」
麦わら帽子を被った男、ルフィが口を動かす。
何を言おうとしているのだろうか。
に……?
何だ?
「待てーーー!肉ーーー!!」
「待ちやがれ、トナカイ料理っ!!」
「うおおぉおおおーーーっ!?」
逃げる、逃げる。
足を動かす。
必死に自分の足を動かす。
後ろを振り返ることなくチョッパーは死に物狂いで捕食者達から逃げるべく前方へと駆け出す。
捕まれば一巻の終わりだ。
恐怖しか存在しない
前だけを見ろ
進め、己の命がある限り
決して立ち止まるな
退けば喰われるぞ、臆せば死ぬぞ!
奴らは本気で自分を食料にするつもりだ。
無限追跡ごっこの始まりである。
一方、ゾロとウソップ、ビビの3人はルフィとサンジの
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