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ドリトル先生と奈良の三山
第十二幕その九
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 そしてです、先生はトミーと王子にもです。お土産を渡してまたお仕事で日本に来たサラにもでした。
 お土産を贈りました、そうして言うのでした。
「どうかな」
「面白いお菓子ばかりね」
 サラは先生に笑顔で応えました、サラは今は先生のお家にお邪魔していてちゃぶ台でお抹茶と和菓子の和風ティーセットを楽しんでいます。
「どれも」
「これ全部奈良のお菓子だから」
「日本のね」
「そうなんだ」
「イギリスに帰ってから家族で食べるわね」
「そうしてね」
「それとだけれど」
 サラはティーセットの三色団子も食べています、上のお皿にそれがあって真ん中のお皿にはお饅頭、下には羊羹があります。
「兄さん蘇っていう食べものも買ったのよね」
「さっきお話した通りにね」
「そしてその蘇は日笠さんって人にあげたの」
「そうだよ、昔の日本のチーズをね」
「それで私に贈っていないお土産も色々と」
「皆のアドバイスに従ってね」
 一緒にティータイムを楽しんでいる皆を見てサラに答えました。
「そうしてね」
「そこでアドバイスを聞いたのはよかったわ」
「そうなんだ」
「兄さんじゃどうせ」
 サラはお兄さんである先生の性格をよく知っていて言うのでした。
「トミー君や王子様と同じものを買おうと思ってたわよね」
「サラともね」
「公平によね」
「贔屓や差別はよくないよ」
「その誰にも公平なのは兄さんのいいところの一つよ」
 このことは紛れもない事実だというのです。
「本当にね。ただね」
「サラも日笠さんにはっていうのね」
「そうよ、そうした時はね」
「公平じゃなくていいんだ」
「その人は特別扱いでいいのよ」
「お友達も学生さんも家族も贔屓したら」
「そうじゃない人はいいの」
 少し怒って言うサラでした、お抹茶を飲む先生に。
「誰にでも贔屓や差別はよくないけれど」
「それでもなんだ」
「兄さんの場合は日笠さんはね」
「特別扱いでいいんだ」
「そのことはよく覚えておいてね」
「そうしたものなんだね」
「贔屓や差別は駄目でも特別扱いでいい人はね」
「いるんだね」
「このことは何度も言うから」
 サラにしてもというのです。
「いいわね」
「何かよくわからないけれど」
「わかってね」
「無理にもだね」
「そう、いいわね」
「何か皆と同じことを言うね」
「だって同じことを思うからよ」
 だからだというのです。
「同じことを言うのも当然よ」
「そうなんだ」
「そう、じゃあいいわね」
「日笠さんにはだね」
「今回はそれで正解だったし」
「これからもかな」
「そう、これからもよ」
 まさにというのです。
「日笠さんって人にはね」
「特別にだね」
「そういうことをしていくのよ」
「公平でな
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