第十二幕その七
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「そっちも美味しいですよ」
「あの緑のだね」
「はい、そうです」
「色々あるんだね」
「かき氷にも」
「それで色々楽しめるんだね」
「そうなんです、私も後で食べます」
恵梨香もです、そうするというのです。
「みぞれで」
「それも美味しいんだ」
「そうなんです」
「ただの氷もこうして食べるとここまで美味しくなるんだね」
「面白いですね」
「本当にね」
「僕はブルーハワイがいいかな」
神宝はお好み焼きを食べつつ言いました。
「そっちかな」
「僕はレモンがいいよ」
カルロスはフランクフルトを食べながらそちらだと言いました。
「かき氷はね」
「私は普通に黒蜜ね」
ナターシャは唐揚げを食べつつ微笑んで言いました。
「和風に」
「僕はオジョさんと同じ苺かな」
ジョージは焼き鳥を食べながら言いました。
「かき氷は」
「ははは、好きなのを食べていいよ」
四人に一つ目小僧が言ってきました、見れば一つ目小僧はアイスキャンデーをぺろぺろと舐めています。
「好きなものをね」
「そうしていいんだ」
「かき氷も好きなのを食べて」
「そうしても」
「それぞれで」
「うん、僕はどれも好きでね」
一つ目小僧はその一つの大きな目をにこりとさせて四人に言います。
「特に最後のね」
「あっ、シロップが残って」
「氷も溶けてね」
「ジュースみたいになった」
「あの冷たいのがいいんだね」
「そうなんだ、最初のシャクシャクしたのもいいけれど」
それだけでなくというのです。
「最後が一番好きなんだ」
「ううん、あの時になったら」
恵梨香も一つ目小僧の言葉に頷いて言うのでした。
「確かに甘くてね」
「冷たくてね」
「最後の名残みたいなのもあって」
「美味しいよね」
「そうよね」
「だから好きなんだ」
また言った一つ目小僧でした。
「僕はね」
「そうなのね」
「僕もかき氷の最後は大好きだよ」
から傘も言ってきました。
「あの最後の甘さがいいよね」
「から傘さんもなの」
「うん、かき氷はね」
「そうなのね」
「それとだけれど」
ここでトトはから傘を見ながらこんなことを言いました。
「から傘さんの身体ってどうなってるの?」
「僕の身体かい?」
「うん、足があるけれど」
一つ目と口があって両手が出ている傘の柄の部分がそれです、下駄を履いた一本足がそれです。
「足のところに内臓とかがあるのかな」
「そうだと思うよ」
から傘自身もこう答えます。
「僕もね」
「そうなんだね」
「うん、そうだってね」
「成程ね」
「まあ僕達妖怪って色々な身体だからね」
「そうだね、から傘さん以外にも」
トトは一反木綿や塗り壁も見ています、そうした人達も屋台の
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