─ナミの心象U─
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熱が襲ったのだ。
そんな私をアキトが優しく受け止めてくれる。
…。体がとても熱い。いっ…意識が…
それ以降の記憶は曖昧だ。
私の寝室にてアキトの手を握り返したことしか覚えていない。
▽▲▽▲
目を覚ませば知らない天井。
私の服装はいつの間にか変わり、寝台に寝かされていた。
体を襲っていた倦怠感はだいぶ消え、熱も僅かに残っているが体が燃えるような感覚はしない。
丁度アキトがこの寝室へと扉を開き、その姿を現す。
恐らくだがアキトが医者がいるこの場へと連れて来てくれたのだろう。
飛行することが可能なアキトの能力は正に私を早急にこの場へと連れて来るのに最適であったに違いない。
やはり推測通りアキトが私を運んでくれたようだ。
本当にアキトには頭が上がらない。
だが突然額を触ってくるのは反則であると思う。
熱を確認するためだとは分かっているがアキトの顔が目の前にある状況は病人である私には良い意味でも悪い意味でも心臓に悪かった。
改めて見るとやはりアキトは端正な顔立ちをしていると思う。
額から伝わるひんやりとしたアキトの手の平が私を一周回って冷静にしてくれる。
だが依然として距離感が近いのに変わりはなく私を混乱の境地へと誘った。
それに加えて不意打ちとばかりに普段表情を変えないアキトがふんわりと笑ったのだ。
そう、他の誰でもない。
この私にだ。
最早私の心臓の音が鳴り止むことはなく、目の前のアキトを私は直視できなかった。
そんな混沌とした雰囲気の中に入り込んでくるトナカイの姿が。
続けて入室してくるDr.くれは。
彼女の口から語られるチョッパーの辛き過去。
そんなチョッパーを口説く私。
感心したようなアキトの視線に耐えられずそっぽを向く私。
軽いカオスな状況である。
突如寝室を出ていくアキト。
急展開に付いて行けない私。
Dr.くれは曰くアキトは私の治療費を払う代わりに外敵を排除することを彼女と約束していたらしい。
やはり私はアキトに頭が上がらなかった。
あっ、一条の光が見えた
このようにアキトと接していく内に私は彼に対して徐々に興味を抱いていくことになる。
正直アキトはこれまで出会ってきた男性とはかけ離れた男性であった。
サンジ君のように自身の欲望に忠実で女好きというわけでもなく、ルフィやウソップのような子供らしさも有してはいるがその子供らしさもどこか希薄だ。
ゾロのように剣士としての誇りに固執するような典型
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