─ナミの心象U─
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錯覚などではないだろう。
思えば私はアキトのことをどう思っているのだろうか。
アーロンパークの一件以降私はアキトのことを少しだけルフィ達とは異なる視線で見ていることは自覚している。
これが恋から来る行動なのか、吊り橋効果と呼ばれる効果なのかは未だ私は分からない。
窮地の状況の私をアキトは何の見返りを要求することもなく助けてくれたのだ。
これで何とも思わないわけがない。
素直に嬉しいと思うし、ときめくものもある。
私だって女だ。
そういったどこぞのヒーローのような男性に憧れていたことも一時期はある。
だが私はそんなちょろい女ではない。
一時の気持ちで流されることなどありえない。
そう、だからこのショッピングで感じているこの何とも言えない気持ちも一時的なものだ。
だが私も特定の男性と異性として付き合うことを一人の女性として想像してしまうことは仕方のないことなのだろう。
そして現時点で私が一番仲が良いと思われるアキトへと目が泳いでしまうことも仕方のないことなのだ。
そんな私の混沌とした気持ちに気付くこともなくアキトは前方を見ている。
改めて私はアキトという男性を注視して見つめることにした。
ルックス良し、気遣いも心得ており、実力も申し分ない。
金銭面も賞金稼ぎを通して稼いだお金があるので大丈夫である。
アキト程の実力者が賞金稼ぎをしていたのだ。
懐事情はさぞかし豊富であることだろう。
見た目よし、性格良し、実力良し、財力良しとなるとアキトはかなりの優良物件ではないだろうか。
だが私は恋という感情がよく分からない。
いや、分からないと言ってしまえば語弊がある。
男性を異性として特別な意味で好きになることが上手く理解できないのだ。
これまで私は恋とは無縁の生き方をしてきた。
ココヤシ村を救うために命懸けで生きてきたのだ。
私にとって男とは下品でがさつで、下劣な視線を隠そうともしない存在でしかなかった。
だがアキトは私の男に対する印象のどれにも当てはまらない。
何というか、アキトはどこか達観しているような気がするのだ。
アーロンパークの崩壊後に抱きしめてもらった時に感じた不思議な包容力というか、何というか。
勿論、ルフィ達もその枠には当てはまらない。
サンジ君もかなりの女好きだが大丈夫だ。
た…多分……
その後のアキトとのショッピングはとても充実したものになった。
私は大満足である。
偉大なる航路への入り口も何とか無事に通過することができた。
順風満帆と言えるだろう。
▽▲▽▲
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