─ナミの心象U─
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していた服がやけに露出が多かったことを指摘するアキトに対してからかうような笑みを浮かべた。
上目遣いの形でアキトに自らの肢体を少し強調するような姿勢を見せたのである。
これまで幾度も海賊達に使用してきた手段である。
大抵の男ならこの仕草で籠絡できる。
ルフィとゾロ以外の男性連中ならば照れること間違いなしだ。
だが私の予想を大きく裏切りアキトは実に淡泊な反応を見せた。
動揺を表すこともなく、照れの要素など皆無であったのだ。
私は人知れず女としてのプライドが傷付けられたように感じた。
矛盾した行為であると分かっていながらも私はアキトに対して拗ねた様子を見せてしまう。
私は何をやっているのだろうか。
私はただ此方の用事に付き合ってくれているアキトとの親睦を深め、アキトのことを知りたいだけなのに。
見ればアキトが少し困ったように頬を掻いている。
それだけに止まらずアキトは此方の拗ねた様子を見かねたのかショッピングの代金は自分が受け持つと提案してきたのだ。
これには心底私は驚かされた。
むしろ此方がアキトの時間を削っていることに感謝すべきなのに当の本人はただ純粋に私とのショッピングを楽しいものにしようと心掛けているのだ。
逆に私の方が胸を密かにときめかせられてしまった。
アキトの思いやりは純粋に私にとっては嬉しいもので、思わずショッピングのお金を奮発してしまう。
言うまでもなくアキトのお金でだが。
私は中々イイ性格をしているようだ。
改めて自覚した。
ショッピングの後も荷物はアキトが率先して持ってくれた。
これでは今後の私のショッピングの付添人がアキトであると決まったも同然である。
正にアキトは私のショッピングにおける永久指名同伴者だ。
また店員であるおばさんにアキトの彼女なのかと唐突に尋ねられたことで思わず頬を赤らめ、動揺してしまう事態も起きたが問題ない。
アキト自身余り気にしているようには見えなかったからノープロブレムなのだ。
つい衝動的にアキトの恋愛経験を聞いてしまったが全く問題ない。
本人曰く恋愛経験は無し。
ココヤシ村に来る前は賞金稼ぎの経験有り。
出身地はシャボンディ諸島の近くの島。
思わぬ収穫だ。
このショッピングの目的であるアキトとの親睦を深めることができた。
アキト本人に特別な女性が存在しないことに心の隅で少しだけ安堵したことは秘密だ。
安堵したのは今はただ私とショッピングをしているのにも関わらず他の女性のことを引き合いに出して欲しくなかっただけだ。
そうだ、きっとそうに違いない。
見ればアキト本人もどこかこのショッピングを楽しんでいるように見える。
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