幕間の物語
─ナミの心象T─
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リーという正確な金額を知っていたのか。
何故、1億ベリーがもう少しで揃うこの時期にいまごろ私の前に現れたのか。
答えは明白だ。
全てっ!
全てっ!!
最初からアーロンの奴はあのネズミ野郎と繋がっていたのだ!
海軍が海賊と手を組む、許されない事態だ。
アーロンパークでアーロンを問い詰めたが、奴は素知らぬ態度でぬけぬけとのたまいやがった。
『俺が約束をいつ破った?』
『海軍に金を盗まれた…?そりゃぁ不運だったなぁ。』
『まあたかだか1億ベリーだ。また集めればいいじゃねぇか。』
『また1億ベリーを集め終えた時に村を返してやるよ。俺は約束を守る男だからな。』
畜生っ!
畜生ォ!!
▽▲▽▲
ゲンさんを含む村の皆がアーロンに反旗を翻すことを決意した。
駄目だ。
アーロンに歯向かえば死んでしまう。
『知っていたよ、全て。ナミ…、お前が私達のためにアーロン一味に入り、お金を集めていたことも。』
嘘……
ゲンさんは全てを知っていたのだ。
見ればココヤシ村の全員がゲンさんの言葉に強く頷いている。
どうやらノジコが全て話していたようだ。
呆然とする私の前で村の皆は武器を持ち、アーロンの元へ向かおうとしている。
そんな皆を止める術を私は持ち得ていなかった。
駄目だ。
例え村の皆が総出で挑んでも結果は見えている。
どうすればっ!
一体どうすればっ!?
瞳は涙で溢れ、視界はままならない。
足は震え、体に力が入らない。
そんな時であった。
私がアキトと出会ったのは。
『少し待ってくれませんか?』
▽▲▽▲
魚人であるアーロン達が蹂躙されている。
アキトと名乗る謎の少年の手により一方的にだ。
最初は部外者である奴が何を言っているのかと憤慨した。
当然だ。
今日偶然この島に来たような奴が『俺に任せてくれませんか』など何を言っているのか。
文句を言ってやろうと目の前の少年を射抜いた途端、そんな私の気持ちは霧散した。
件の少年、アキトが今にも怒りが爆発しそうな程内心を煮えたぎらせているのを理解したからだ。
見れば彼の右手は血が滴りそうな程強く握りしめられ、紅き瞳はまるでマグマの様に燃え上がっている。
体からは殺気とも呼べる闘気を放ち、ゲンさん達を気圧している。
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