幕間の物語
─ナミの心象T─
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私の故郷であるココヤシ村を救うことができるのだ。
今思えば長いようで短い8年間であった。
魚人共にココヤシ村を支配されて今年で8年。
アーロンの指示により海図を書き、奴ら魚人共の仲間になることでココヤシ村の皆を守ってきた。
故郷であるココヤシ村を救うために泥棒稼業に手を付けてきたのだ。
大嫌いな海賊に取り入ってでも自分の村を救うべく奮闘した8年間。
必死に、身を粉にし、心を鬼にしてまで目標金額である1億べリーを稼ぐことを第一主義としてきた。
心休む暇など存在せず、神経をすり減らす毎日。
心底嫌悪する海賊に媚びへつらう自分に嫌気が差す日々。
だがそんなことしかできない自分に怒りを覚えてしまう悪循環。
無論、決して楽な道のりではなかった。
多少航海の知識を有していようが所詮は一介の村娘。
一度に莫大な金を稼ぐことなどできはしない。
貞操の危機を感じたのも一度や二度ではない。
奴らは幾度も下賤な視線を私に向け、私を襲おうとしてきた。
自分の容姿が整っているのは自覚している。
メリハリのついた肢体に、服越しにでも伺える女性の象徴である豊かな胸。
スカートから覗く太股は男の劣情を誘うことは明白であり、自身の象徴でもある鮮やかなオレンジの髪は綺麗に切り揃えられている。
顔も正に美少女と呼ぶのに相応しい端正な顔付きをしている。
何故、自分がこんなに苦労しなければならないのか?
何故、海軍は助けに来てくれないのか?
いや。分かっていた。
海軍は助けに来ないのではない、助けに来れないのだと。
無意味だと分かりながらも幾度もこの無意味な問答を繰り返してきた。
だがその苦労も漸く実を結ぶ。
アーロンは外道で屑だが金銭面での約束事は必ず守る男だ。
1億ベリーを集め終えた後はただ奴の前に差し出せば良い。
あともう少しだよ、ベルメールさん、ノジコ、ゲンさん……
▽▲▽▲
麦わら帽子を被った海賊と出会った。
そいつは麦わら帽子を自身の宝なのだと言う。
本当に変わった奴だ。
そいつはどこまで行っても海賊らしくなく、こんな私を受け入れてくれた。
良い奴らだったなぁ
また仲間に入れてくれるかな
早く自由になりたいよ、ベルメールさん…
▽▲▽▲
くそっ!
くそっ…!!
アーロン!
アーロン!!
アーロン!!!
裏で内通していたあのネズミ大佐と呼ばれるネズミ野郎がお金を強奪しようと襲撃してきた。
何故、あのネズミ野郎が1億ベ
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