暁 〜小説投稿サイト〜
NARUTO日向ネジ短篇
【夢酔(ゆめよい)】
[3/3]

[8]前話 [9] 最初 [2]次話
しの夢だろうと何だろうと関係ない。ねぇ、教えてほしいの。どうしたら“わたしの未来”にネジ兄さまを存在させてあげられるの? あなたの世界にはもう……兄さまは居ないんでしょう」

「───?」

 年下のハナビはその事を察し悲しげな表情をしており、大人のハナビは俯いて目を伏せ、当のネジは無表情で黙っていたが、歳上の方のハナビが何か思い立ったように顔を上げる。


「そうだわ……これはきっと、夢なんかじゃない。醒める必要もないんだ。このまま私が過去に居れば、ネジ兄様を守れるはずよ。十代前半の当時は大戦に参戦出来なかったけれど、今の私なら───」

「寝言を言っていないで、さっさとこの夢から醒めたらどうだ」

 冷たい口調で歳上のハナビの言葉を遮る従兄。


「俺がどのような形で死ぬ運命だろうと……、過去は変えられない」

「ネジ兄、様……」

「もういいだろう。──お前は、元の居場所へ還れ」

「だけど、私はっ」


 つと、不意打ちに人差し指で従兄に額を小突かれるハナビ。

「え、あ……」

 すると急速に意識が遠のくのを感じ、身体がふらつく。


「簡単な事だったな。……そのまま、眠るといい」

「だ、駄目よ兄様……、私、きっとネジ兄様を、助ける為に……っ」

「その気持ちだけは、受け取っておく。──ありがとう、ハナビ」


 薄れゆく意識の中、最後に見たのは、従兄の儚げで優しい笑みだった。



《終》



[8]前話 [9] 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ