第四章
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「やがて岩が水晶玉みたいになって中のお魚が見える様になるねん」
「それで、ですか」
「そのお魚を観たらな」
その時はというのだ。
「長生き出来る様になるねん」
「そうなんですね」
「そや、まあ岩の大きさによるけれど」
それでもと言う神職の人だった。
「百年位磨いたらそうなるわ」
「百年って私達死んでますよ」
ちなつは人間の普通の寿命のことから話した。
「もう」
「そやね、けどその魚を見た人はな」
「長生き出来るんですね」
「そやで」
実際にというのだ。
「そうなるんや」
「そうですか」
「ほな今からその岩の場所に案内してくれるか?」
神職の人は三人に穏やかな笑顔で頼んだ。
「そうしたら大社の方で保管してな」
「百年かけて磨いてですか」
「そうしてですか」
「中のお魚を観られる様にしますか」
「そんな有り難いもんやし」
神職の人はさらに言った。
「皇室に謙譲することになるやろな」
「天皇陛下にですか」
「お渡しするんですか」
「百年後に」
「今から連絡してな」
そうしてというのだ。
「そうなるわ」
「そうですか」
「何か凄いことになりましたね」
「妖怪とか天皇陛下とか」
「ほんまやな、けどこそこそ岩が出たからにはな」
まさにというのだ。
「そうさせてもらうで」
「そうですか」
「じゃあ今から案内させてもらいます」
「音が聞こえるところに」
三人は神職の人に答えた、こそこそ岩がある場所に案内すると。そして実際にその場所に来るとだった。
神職の人もその音を聞いて確かな顔で言った。
「聞こえるな、ほんまにな」
「こそこそ岩ですか」
「中にお魚がいるんですね」
「観たら長生き出来る」
「そや、ほなこの岩はこっちで預かるで」
神職の人は三人に言った、そしてすぐにスマホで大社の人達を呼んで持って来てもらったリアカーにその岩を乗せた。そのうえで三人に言った。
「ほな後はこっちでな」
「わかりました」
三人も応えてだ、そうしてだった。
岩は運ばれていきもう音はしなくなった、これで彼女達と妖怪の話は終わったが。
ちなつは音がしなくなってだ、紗奈と萌南に言った。
「何か音が聞こえて怖かったけれど」
「ええ、どうしてかわかるとね」
紗奈が最初にちなつに応えた。
「中にお魚がいるからだってわかるとね」
「そのお魚見たくなったわね」
萌南も言ってきた。
「是非」
「そうよね」
「百年先だっていうけれど」
「観たいわよね」
「どうしても」
こう言うのだった、ちなつと紗奈も。
しかしだ、百年先なので三人共どうにもという顔になって言うしかなかった。
「百年先なんてね」
「私達多分生きてないからね」
「百十三歳なん
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