天使のような子と連絡先を交換した
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ど。
どうしよう。言葉に表すことが出来ないほど嬉しい。授業中に考えていたことや不安は杞憂だったようだ。
「そ、そっか。わざわざありがとね。でもウチの高校にまで来なくて良かったのに。ほら、先に帰っていた可能性だってあるし」
「いつも通りなら家の前で待ってたよ。でも音ノ木坂、今日は早かったの。だから絶対に会えるって思ってたんだ」
そして、それに……と南さんは一呼吸置いて。
「神崎くんと一緒に帰りたかったから。その……ダメ、かな?」
……ダメな訳ないじゃないか。
「そんな、ダメな訳なんてないよ。むしろ俺としても南さんと帰りたいって思ってたんだ」
「……えっ? そ、そうなの?」
「う、うん……」
「そっか……嬉しいな……」
最後の方は小声で聞き取ることが出来なかったけど、別に大したことではないだろう。
そんなことより、南さんと一緒に帰ることが決まった。一週間ぶりの再会と下校。緊張して上手く話すことが出来なくなることは目に見えている。だけど、一緒に帰るというだけでも十分幸せだ。だから、しっかりとこの幸せを噛み締めようと思う。
「それじゃあ、行こっか」
「うんっ」
南さんは微笑みながら、俺は緊張しながら。
やっぱり気まずいけど、不思議なことに居心地は悪くない。
それを肌で感じながら、俺と南さんは帰路を歩き出した。
◆
やはり一週間というのは長すぎたのだろうか。話題に困るようなことはなかった。この一週間お互いに何をしていたとか、何か出来事はあったかなどを聞いて、会話が途切れるようなこともなかった。
「なるほど、合宿とか練習で忙しかったのか」
「うんっ、最近の練習はライブも近いからハードになってるんだ」
南さんと会えなかった理由。それはμ'sでの練習や合宿で忙しかったから。何でも、近々ライブをやるみたいで、朝早くから夕方まで練習に打ち込んでいたという。なるほど道理で会えない訳だ。
俺ももっと早くに家を出れば良かったけど、終わったことを悔やんでも仕方がない。とにかく、俺の心配していたことが杞憂で本当によかった。
「そっか、大変だね。俺が言える立場じゃないけど、無理しちゃダメだよ」
「ありがとう。でも大丈夫、それはμ'sのみんなが気を付けているから」
「……そっか。それなら安心していいかな」
そう話す南さんの顔は、どこか哀愁を帯びていた。これは何かあったなと判断した俺は、それ以上の言及を避けることにした。
「心配してくれるの?」
「当たり前だよ。だって俺は南さんがす──み、南さんとは友達だからね!」
「……ありがとう。本当に嬉しいよ」
……危なかった。また口を滑
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