賢者の孫騎士
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のは大人の一部だけだし、こんな光景を見たのはオレと君だけだ」
「私だけ?」
「さっき教えた魔法は単純だ。見た目にも分からないから皆使わない。使わないとこんなことが出来るようにならない。だからオレと君しか見たことがないはずさ。皆、炎や水を使うのが多いからね」
「勿体無いね」
「ああ、勿体無いさ。だから、君も何時かこの光景を自由に見れるようになれるといいな」
「うん。それと助けてくれてありがとう。私の名前はマリアって言うの」
「オレはシンだ。普段はあっちの方の山奥に爺ちゃんと二人で住んでいる。しばらくは王都にいるけど、それも10日程だけだ。次に来れるのは速くても半年後だろうな」
「そうなんだ」
ちょっと落ち込み気味にマリアが答える。面倒を見てもらっている手前、あまり我儘は言えない。成人して家を出たとならともかく、お金の稼ぎ方も知らない子供では無理だ。常識も大分怪しいのが既に判明しているから余計にだ。
「まっ、基本的にこっちにいる間は暇なことの方が多い。今日も暇でな、王都に来たのも初めてだから何処か案内してくれるか?」
「うん」
受け取った地図ではここらしいが、デカイ屋敷だな。とりあえず確認するか。門の前に居る門番に声をかける。
「失礼、こちらはミッシェル・コーリング様のお屋敷で間違いないでしょうか?」
「そうだが、何か用か坊主?」
「ミッシェル様に招待を受けまして。こちらがその招待状です。確認をお願いできますでしょうか?」
地図と共に送られてきた招待状を手渡す。
「ああ、君が。話は通っているから建物の右側から裏に回って。ミッシェル様もすぐに向かわれるはず「ああ!!やっと見つけた!!」お下がりを」
門番がオレをかばうように後ろから声をかけた男の前に立つ。
「あっ、いや、別に怪しい者じゃないんだ。ただ、そっちの子に昨日使っていた魔法を教えてもらいたくてだな」
「ああ、昨日の子供達の喧騒を遠目に見ているだけで動こうともしていなかった宮廷魔法師団のお兄さんですか」
「まあ、間違っちゃいないけど、そんなに否定的に言わないでくれよ。さすがに気になる女の子にちょっかいを掛けてる男の子達の間に大人が止めるのはちょっと大人げないだろう。怪我をさせるようなことになりそうなら割って入るつもりで遠巻きに見てたんだよ」
「つまり子供なら心に傷を負っても問題ないと」
「そんなことはないけど、アレぐらいなら普通に見られることだから。坊主だってそうだろう?」
「残念ながらオレは普段は爺ちゃんと二人で山奥に住んでいるもので」
そう答えると今度は門番の人達からも不思議な者を見る目で見られる。
「あの、ミッシェル様とはどういった
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